あたしの分まで
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ゴンがいるのに、エクリプスからはこの時代へと向かって歩を進めるドラゴンたちが我先にとやってくる。
「私は・・・私は・・・なんということを・・・」
「ルーシィ!!早く扉を閉めて!!」
自分の分まで生きるために、少しでもドラゴンの数を少なく留めておきたい。しかし、ルーシィの必死の対処も虚しく、まるで扉が閉まる様子がない。
「ルーシィさん!!」
「んー!!」
体を反らせてトリガーを引き続けるルーシィ。それを見ていたアルカディオスは、ある結論に至っていた。
「星霊魔導士の力が足りない」
「私がいます!!」
1人の女性の声が城の方から聞こえ、そちらに視線を向ける。そこには剣咬の虎時代の衣服に身を包んだユキノとミラジェーンがいた。
「ユキノ!!」
「ミラさん!!」
ユキノはルーシィと同じ星霊魔導士。つまり、扉の閉門ができるもう1人の魔導士なのである。
「ルーシィ様!!黄道十二門の鍵を出してください!!私の鍵と合わせて、十二の鍵で扉を封じます!!」
「星霊で!?」
扉の開門には十二の鍵すべてを用いる必要があった。ユキノはそれと同じように、星霊たちの力を借りて扉を閉めようと考えたのだ。
「ルーシィ様!!」
「わかった!!」
自分達の保有する金色の鍵を上へと投げるユキノとルーシィ。その鍵たちはまるで意志を持っているかのように上空で円をつくる。すると、その鍵が金色の光を放ち始めた。
「黄道十二門の星霊たちよ」
「悪しきものを封じる力を貸して」
膝を付き、相手の手を取り合うように握り合わせる2人。
「開け」
「十二門の扉」
「「ゾディアック!!」」
2人が体を反らせると、辺りから光が吹き出してくる。その光の中から、黄道十二門たち全員が現れる。
「お願い」
ルーシィの祈るような声。星霊たちはその願いを聞き入れ、エクリプスの扉へと全速力で飛び出す。
扉に到達した十二の星霊は、少しずつ、少しずつ扉を閉じていく。だが、その向こう側から、また1頭ドラゴンがこちらの時代に身を乗り出そうとしている。
見守るミラジェーンとウェンディ。そんな彼女たちの祈りも通じたのか、扉をこじ開けようとするドラゴンの力をねじ伏せ、エクリプスを閉じることに成功した。
「閉じた」
扉が閉まると星霊たちは星霊界へと帰っていく。ようやくドラゴンの進軍を止めることができたルーシィとユキノは、安堵してホッと一息つく。
「やりましたぁ!!」
「やったぁ!!」
飛び跳ねながら喜ぶウェンディとハッピー。王国の兵たちもそれを見て大喜びしていた。ある1人を除いて。
「喜ぶのはまだ早い!!何頭のドラゴンが出てきた!?」
「九頭です」
近くにいた兵隊
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