あたしの分まで
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「姫」
「私は大丈夫です」
その地響きにヒスイも耐えきれずに膝をついている。そしてその地響きの正体を知った王国軍たちは、その光景に目を疑っていた。
「これは・・・どういうことだ?」
「あぁ・・・」
「そ・・・そんな・・・」
「ウソだろ・・・」
皆が見上げるその先にいたのは、人を遥かに越える大きさを保有する生物。その怪物はゆっくりとエクリプスの扉からその姿を現し、それを見たその場にいる者たちは、恐怖に顔を強ばらせていた。
グオオオオオオ
その怪物の正体は、エクリプスキャノンで迎撃しようとしていたドラゴンだった。
「扉から・・・ドラゴンが・・・」
現れたドラゴンは大きく咆哮をする。すると、その勢いに押されて人々が飛ばされ、地面はひび割れを起こし、城に建築された石像は目も当てられないほどにボロボロにされていた。
ズドォォン
その巨大な怪物が地面を叩くと、それは巨大な衝撃波へと変換され、街にある建物を粉砕した。
「なんだ今のは!?」
「魔法!?」
自分たちが守備を固める中央広場を襲った衝撃にエルザとシリルがいち早く反応を見せる。
「来たのか!?」
「どっから来た!?」
「城の方だ!!」
剣咬の虎の三大竜は、その衝撃波にドラゴンがやって来たと感じ取り、すぐに動き出せる体勢を作っている。
「レオンの魔法と同等か!?」
「なんという破壊力だ」
蛇姫の鱗のリオンとジュラがその一打の威力を簡単にではあるが計算している。名前が挙げられたレオンはいまだに食事を取っており、何のことやらさっぱりといった様子であるが・・・
「これほど・・・なのか・・・?」
ただ地面を強く叩いただけなのに、建物をいくつも破壊してしまうドラゴンの力に、アルカディオスはヒスイを抱えたまま、恐怖感に苛まれていた。
「ウソだろ・・・」
「こんなの・・・」
「勝てるわけねぇ・・・」
間近でドラゴンが初めての王国軍たちは、ついに姿を見せたドラゴンの力に足をすくませている。
「あ・・・ああ・・・」
そしてかつてドラゴンに魔法を教わり、竜の王アクノロギアを見たことがある藍髪の少女も、その絶対的な力に地面に倒れたまま、震えていた。
そのドラゴンが扉から完全に抜け出ると、すぐ後に続くように別のドラゴンが姿を見せる。
「もう1頭出てきた!!」
「どうなってやがる!?また出てくるぞ!!」
次から次へとエクリプスを通り、クロッカスの街へと足を踏み入れるドラゴン。彼らが歩みを進めるごとに、大地は揺れ、地面に亀裂が入っていく。
皆が混乱し、ただあわてふためくし
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