あたしの分まで
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ゴォーンゴォーンゴォーン
鳴り響く鐘の音。その音は日付が変わったことを知らせるものだった。
「7月7日か・・・」
「確か、ドラゴンが消えた日だよね?」
今から14年前の777年7月7日、シリルやウェンディに滅竜魔法を教えたドラゴンが消えた日。今日は丁度その日と同じ日付なのである。
「こんな日にドラゴンが現れるってのか?」
自身の親であるドラゴンも同じに姿を消したガジル。彼はそんな日にドラゴンが現れることに、少々不信感を持っていた。
「妖精の尻尾はこの中央広場を守備する!!」
「他のギルドの奴等は?」
「それぞれ街の四方に待機してるよ」
ウォーレンが周りにいたはずの各ギルドの魔導士たちがいないことに困惑していたが、マックスがそれに答える。
「エルザは休んでな。そのケガじゃ・・・」
「問題ない」
体の至るところに包帯を巻いているエルザに心配して声をかけるカナ。しかし、彼女はそれに素っ気なく返答する。
「シリルとリオンとこの回復娘と、王国の衛生兵のおかげで、なんとか動ける」
「俺もなんとか左腕上がるようになりましたよ」
「ウェンディもいてくれたらもう少し回復できたんでしょうけど」
グレイとシリル、そしてジュビアも動けるレベルまで回復できており、ドラゴンとの戦いに参加するようだ。
「それにしても、不気味な月だな」
赤く光る月を見上げてフリードがそう言う。
「エクリプス・・・月蝕か・・・」
魔導士たちが各々の準備をしている中、エクリプスの前にやって来ているウェンディたちは、ゆっくりと解放される扉をただ静かに見守っていた。
「見ろ!!」
「人類の希望の扉が開く!!」
「勝利の扉が開くぞ!!」
王国軍たちは開かれていく扉を見て騒ぎ立てる。
「すごい魔力だね。ヒゲがぴりぴりする」
「確かにこれなら、ドラゴンを一掃できるかも」
「一万のドラゴンも怖くないね〜!!」
「これほどの魔力が1ヶ所に」
ハッピーやシャルルといったエクシード4人組がそれぞれの感想を述べる。
「これで、未来は救われるんですよね?」
「うん」
ルーシィの元に歩みより、ウェンディがそう言う。それを聞いたルーシィはうなずいて見せるが、心ここにあらずとあった様子にも見える。
「未来から来たルーシィさんも、浮かばれますね」
ウェンディは感涙しているようで、目尻に溜まっている涙を指でそっと拭う。
そして、扉が完全に開かれようとした時、突如ルーシィが前へと1歩、また1歩と動き出す。
「ルーシィさん?」
彼女が何をやっているのかわ
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