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八神家の養父切嗣
二十話:三者
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ところへ突如現れた謎の乱入者。
 世界征服を目指す秘密結社、その名も『セクレタリー』。
 彼らは全てのBD陣営に宣戦布告を行い、グランツ研究所、八神堂へ侵略を開始させていた。
 その強さと行動はまさに“悪”。止められる者などいない。
 そう誰もが諦めかけた時、正義の味方はどこからともなく現れる。
 悪が亡びぬ限り、正義もまた滅びないのだから。

「くそ! すずかにアリサまで捕まっちまった!」
「ふふふ、博士の美しき秘書にしてスパイ『ドゥーエ・ザ・ライアー』と」
「戦略参謀『クアットロ・ザ・ミラージュ』の前では赤子同然よ」

 圧倒的な強さを誇る乱入者の前に為すすべなく押され続けるヴィータ。
 スキルの使えない状況かつ、人質が居る状況では勝ち目がない。
 アイゼンを握りしめ肩で呼吸をするが既に万事休すだった。

「ランカーってのもあっけねえな。えーと、この『トーレ・ザ・インパルス』の拳の餌食になりな!」
「くそ…っ。誰か……助けてくれ」

 ここまでかと思い、衝撃に備えて目を瞑るヴィータ。
 そこへトーレは手加減することなく拳を振り下ろす。
 だが―――そこへ正義の味方が現れた。


「うちの子どもに手を出すのはやめてもらおうか」


 弾丸が放たれ一直線にトーレに襲い掛かる。
 彼女はそれを躱すために無理矢理体を捻る。その結果ヴィータへの攻撃は届かなくなる。
 さらに、そこへ正義の味方はこれでもかとばかりに銃弾の雨を降らせ、トーレを後退させる。
 そして、ゆっくりとヴィータの前に出て守るようにセクレタリーに立ちふさがる。

「あら、誰かしら? 私達が悪だから、あなたは正義の味方ってところかしら?」
「正義の味方? はは、僕はそんな高尚なものじゃないさ。僕はただの―――」

 男はコンテンダーを彼女達に突き付けながら睨み付ける。
 その目には、例え世界を敵に回そうとも家族を守るという意志が宿っていた。
 名も知らない誰かの為に戦うのではなく、愛する家族の為に戦う男。
 それは―――


「―――父親だ」


 そう名乗ると同時にコンテンダーの引き金を引く切嗣。
 人質がいるにも拘らずに取った非常識な行動にセクレタリーはギョッとして固まってしまう。
 しかし、それは切嗣の計画の一つに過ぎない。
 守り手が油断をした一瞬の隙をつき、横合いからザフィーラがすずかとアリサを奪い返す。

「しまった! 人質が!?」
「驚いている暇は……無いよ」

 しくじったと顔をしかめるドゥーエの真横にアインスが音もなく近づき、爆撃を行う。
 さらにはトーレの元にシグナムが斬りかかっていき、シャマルはクアットロを抑え込みに行く。
 八神堂対セクレタリーの戦闘が一気に展開される中、
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