第十三話 オレのカトレア
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いた為に疲労した身体を休めていた。
(もう何もする気になれない)
窓の外には二つの月が煌々と輝いている。
マクシミリアンは椅子にだらしなく座り、だらだらと時間をつぶした。
(そろそろ寝ようか)
と、ベッドに入ろうかと席を立つと、ノックの後に魔法衛士は入ってきてカトレアが目覚めたと言って来た。
マクシミリアンは起きたカトレアの様子を見る為、重い身体を動かし部屋を出た。
カトレアの部屋に向かう途中で多くのメイドといった家人たちに深々と頭と下げられた。
ああいう性格のおかげなのか、メイドたちに慕われているようだった。
マクシミリアンは返事を返す少なかった為、適当に手を振って答えた。
さて、カトレアの部屋に到着すると部屋のドアの辺りに10人近い家人が中の様子を見守っていた。
部屋の中から、ラ・ヴァリエール公爵たちの声が漏れ聞こえた。
どうやら、目覚めたカトレアと手術成功を喜び合っているようだった。
(家族団らんを邪魔するのは気が引けるな)
と、クールに去るべく踵を返そうとしたら、カリーヌ夫人が部屋から出てきた、マクシミリアンが来たのが気配で分かったらしい
「殿下、お疲れ様です。カトレアが目を覚ましましたので、どうか会ってあげて下さい」
うっすらを目に涙を浮かべながらカリーヌ夫人はマクシミリアンを部屋に向かい入れた。
部屋の中には、カトレアの他にラ・ヴァリエール公爵とエレオノールそしてルイズが居た。
今年で3歳になるルイズは、マクシミリアンの事を覚えていたらしく、姿を見るとヒラヒラを手を振ってきた。
そして、マクシミリアンも手を振り返す。
……うおっほん! と、ラ・ヴァリエール公爵が咳払いする。
「殿下、この度は真にありがとうございました。我々は、すでにカトレアと話し合いましたから、後は殿下にお任せいたします。さ、みんな出よう」
そう言うと、マクシミリアンを残し部屋から出て行った
カトレアの方を見るとベッドの上でモジモジとしていた。
ちなみに手術痕はヒーリングで消えている為、激しい運動をしなければある程度、動いても大丈夫だ。
「……え〜っと、カトレア、気分はどうだい?」
すると、カトレアはおもむろに胸に手を当て。
「マクシミリアンさまの心臓が動いてくれているお陰で、すごく気分が良いんです」
と、言った。
意図的かそれとも無意識か男心をくすぐるカトレアの言葉に思わず鳥肌が立った。
(キスしたい。唇を貪りたい)
湧き出るような欲望に身を引き裂かれそうになったが、何とか踏み止まった。
「はははっ、そういう言い方されると。嬉しくなっちゃうよ。そこの椅子、座ってもいいかな?」
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