第十三話 オレのカトレア
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・ヴァリエール公爵は頷いた。
「本当は楽しく食事……と、言いたい所ですが、僕は明日に具えて早めに休ませてもらいます」
「分かりました。お休みなさいませ、殿下」
ラ・ヴァリエール公爵に続いて家人たちも次々と頭を下げた。
退室後、マクシミリアンはカトレアに人目会うべくカトレアの部屋へ向かった。
「カトレア、居るかい? 入るよ」
ノック後、入室するとカトレアは食事中だった。
「ああ、ごめん、食事中だったか」
「マクシミリアンさま。申し訳ございません、はしたない所を……」
「気にしなくて良いよ、ちょっと顔を見に来ただけだから」
カトレアはメイドにお願いして食事を下げさせようとしたが、マクシミリアンは『時間をかけないから』と、制した。
「カトレア、いよいよ明日は手術の日だけど気分はどう? 何か気になる事はないかな?」
「なにも。それに、どの様な結果になっても私は後悔しません」
11歳になって、少しだけ丸みを帯びた身体に成長したカトレア。
そして、精神的にも成長したのか、凛とした受け答えをした。
「そうか、分かった。カトレア、明日の手術、僕は必ず成功させるよ」
「マクシミリアンさま……」
マクシミリアンはくるりと踵を返し部屋を出た。
そして、宛がわれた寝室へ向かう途中、カトレアの事についてに思いを馳せた。
そう、カトレアはマクシミリアンが思っていた以上に、芯が強かったのだ。
(泣いているんじゃなかろうか、怯えているんじゃかなろうか……そうやって彼女の事を過小評価していたんだな、オレは)
だが、彼女は強かった。
泣くどころか、怯えるどころか、『後悔しない』……そう言ってカトレアはマクシミリアンに全てを委ねてくれた。
(必ず成功させるさ。もうね、カトレアじゃ無いとダメだ)
改めて、カトレアの事が好きなんだと再確認した。
☆ ☆ ☆
そして、運命の朝を迎えた。
マクシミリアンは起きるとすぐに顔を洗い、スキルニルを二つ使って手術の準備を命じ、本体はカトレアの状態を見る為に部屋を出た。
「おはようございます、マクシミリアン殿下」
部屋を出てしばらく廊下を歩いていると、エレオノールが挨拶をしてきた。
「ああ、おはようございます、ミス・エレオノール」
「よくお眠りになられたでしょうか?」
「ええ、おかげさまで、よく眠れましたよ。ところで、ミス・エレオノールはどちらへ?」
「お父様から殿下の様子を見てくるようにと……」
「なるほど。僕はこれからカトレア
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