十五話
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かっていた目的地、シネマ村の外壁が見えてきた。刹那はもう待てないとばかりに木乃香を抱き上げ……飛んだ。
「は?」
「え?」
「嘘?」
目の前で起こったことに、3-Aの皆は思わず足を止めた。なんせ、クラスメイトが人一人抱えて宙を舞ったのだ。その本人は武道四天王と言われる面子の一人とはいえ、さすがに驚いていた。
「てゆーか、金払えです」
ただ一人、クラスメイトに突っ込みを入れる者もいたが。
「さて、刹那たちはどこだ?」
シネマ村の一角にある大きな城。その屋根の上で、ネギは周囲を見渡していた。最大速度で飛んできたものの、本山で連絡を受けてからそれなりの時間が経ってしまっている。早く見つけなければ。そう思った所で、大きな人混みが目に付いた。場所が場所だけに撮影でもしているのかとネギは興味なさげに軽く視線をやったのだが、その中心にいる者たちを確認し、目を見開いた。
「やってくれる!」
人混みの中心にいたのは刹那と木乃香。そして、敵だった。想像するに、一般客に撮影と想わせることで逃げ道をふさいだのだろう。中々に、頭が回る。だが、放っておくと言う選択肢は無い。
「さて、い「かせないよ」
屋上より身を投げ出そうとした瞬間、突如ネギの後ろで発生した魔力。そして現れる気配。ネギは屋上から飛ぶ事を中断し、顔めがけて放たれた鋭い蹴りを身を低くすることでかわした。数本の髪がはらはらと舞落ちることから、今の蹴りの鋭さがうかがえる。
「またお前か」
すぐさま飛びのき、蹴りを放った相手と顔を突き合わせてみれば修学旅行最初の夜に対峙した”最強クラス”の少年が、そこにいた。
「邪魔はさせないよ」
「…………」
肩越しにチラリと眼下を見てみれば、刹那が戦いを始めていた。一般人には被害は出ていない……と思ったが、何故か3-Aの生徒何人かが式紙に押さえつけられていた。とりあえず、実害はなさそうだったためネギは見なかったことにした。
「安心していい。一般人に傷は付けない」
「そうか。出来ればその親切心を私にも働かせて欲しいものだ」
「裏の者は話が別さ」
両者の体を魔力が包む。発言した魔力の量は同等。発揮される能力が等しいなら、後は技量と心が勝負を決める。
「じゃあ、行くよ」
ゆらり、と動きだした相手に合わせる様にネギは構えをとり、放たれた拳を迎え撃った。
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