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アーチャー”が”憑依
十五話
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「分かっています。私は教師ですから、生徒は守ります。全力で」

頭を下げる詠春を背に、ネギはシネマ村へと向かう。






「まっとったでぇ! 勝負や!」

「…………」

本山を出てすぐ。行きにも通った鳥居が数多整列する通路で、ネギは敵の罠に落ちた。エミヤであった頃の世界の異常に対する敏感さは此方の世界の結界等にも有効だったらしく早々に気付いたのはよかったが、この結界は性質が悪かった。
無限ループ。一言で表すならこれだ。前に行っても後ろに行っても横に行っても同じ場所に戻ってきてしまう。これほどの結界ならば起点が存在するだろうと探しに行こうとした刹那、現れたのがこの少年だ。
黒い髪に学ランを着たネギと同年代の少年。しかし、顔の横には存在するはずの耳が無く。代わりに頭に犬のような獣耳が鎮座している。

「ハーフ、だな。一体、何の用だ?」

「勝負やゆうたやろ!」

「断る。理由が無い」

この少年が件の一味であろうことは容易く想像できた。あえて会話をしているのは少しでも情報を集めようとしているからだ。だが……

「お前にはなくても、俺にはあるんや!」

「無防備に突っ込むか。愚かだな」

「ごっ……!?」

ネギとて急いでいる。情報が聞き出せないのならば、早々に気絶させるだけだ。フェイントも何もいれずに正面から瞬動で突っ込んで来た少年の腹部にカウンターで拳を叩きこみ、意識を奪う。

「気絶したな。獣化をされては面倒だからな」

あいにくと裏の者を縛っておけるような物を持っていないため、仕方なくネギは少年を道端に転ばせておく。そして、結界の起点を探し、早々にその場を去った。





「くっ!」

飛来する三つの影。刹那はその軌道を正確に見極めつかみ取る。つかみ取ったのは鋭く研がれた棒手裏剣。気や魔力で強化せずとも人体に容易く突き刺さるだろう業物だ。

「せ、せっちゃん。どうしたん?」

「い、いえ。とにかく、付いてきて下さい!」

突然腕を掴み走り出した幼馴染に木乃香は必死に付き従っていた。図書館探検部として基礎体力はそれなりにあるものの、剣道部どころか裏の世界でも現役まっただ中の刹那の走りに付いて行くのは辛い。ただ、辛いにも関わらずその顔に笑みが浮かんでいるのは麻帆良に来てからというもの素気なかった刹那が昔の様に手を繋いでくれていると言う現状が、どうしようもなく嬉しいからだろう。

「ちょ、ちょっと〜。どこいくのよ!」

「と、突然マラソンだなんて……」

後ろの方で必死に追いすがる班員が何かを言っているが今の刹那にそこまで気を割く余裕はなかった。今も、木乃香向けて放たれた棒手裏剣をキャッチしている。

「見えた!」

一時身を隠すために向
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