秋山 駿
第二章 交わる想い
第三話 協力関係
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の、髪を後ろに結った女。
すぐにその女の隣に座り、秋山は注文もせず女に問いかけた。
「アリスってのは、貴方ですか?」
女のお酒を呑んでいた手が止まり、俯いていた顔を上げる。
アリスという名とはかけ離れた、その顔は日本人だった。
一切笑わず、ただ秋山を睨む。
「誰?」
「俺は秋山。この街で店やってる、ただの金貸しですよ。麻田さんから、この場所を聞きました」
「そう、東城会の人間じゃないのね」
一瞬だが、女の顔に笑みがこぼれる。
だが同時に、少し寂しげな表情も見せた。
「アリスというのは」
「わかったかもしれないけど、もちろん偽名。海外に住んでるから、こっちの名前の方がよく使うわ」
「なるほど。本名は、明かせないと?」
「いえ、東城会の人間じゃないのなら大丈夫」
そう言った女は、改めて秋山に向き直る。
ポケットから名刺を取り出し、机の上に見えるように置かれた。
何やらカタカナで沢山肩書きが書かれていたが、真ん中の名前に視線を落とす。
「狭山さんですか」
「そう、狭山薫。今は、休暇でここに来ているの。よろしく、秋山さん」
そうして2人は、固い握手を交わした。
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