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王道を走れば:幻想にて
第四章、序の2:誓約 ※グロ注意
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る。フード越しの殺意の瞳に気付いたか、奇怪なる化物は反射のように足を震わせて、瞬間、蜘蛛のように生々しく足を蠢かせて男に接近していく。足に連動して身体が内側から盛り上がり、頸が所在無さげに揺れる。

「ほぉっ・・・!」

 嫌悪感が走る動きにレイモンドは感嘆の息を漏らした。化物は口から体液を零しながら荷車を前に止まり、音を辿るように頭を振って、死体が転がった方向へと足を向けた。そして最も近き位置にある死体に辿り着いて、足を屹立させて己の身体と得物を固定する。そして吸盤のような口を、その頭部に匹敵するかといわんばかりの大きさまで広げて、一気に死体に喰らいついた。ぐちゅっという肉質のある音を掻き分けるように黒ずんだ血液が溢れ、化物の頭部を濡らしていく。死体がびくびくと震え、その厚みを無くしていく。腐敗した肉肌から数本の触手が突き破り、花弁のように先端を開いて肉を咀嚼しているのだ。
 
(な、なんて事を・・・!)

 禿げ男は顔を青褪めさせて口元を抑える。込み上げる嗚咽を懸命に堪えるのを嘲るように、レイモンドは歓喜に瞳を震わせて、人間のような態度を示した。

「流石マティウスだっ、見事な仕事をしおったぞ、あいつは!!」

 気狂いを見る瞳で部下等が見遣るがレイモンドは意に介さない。彼らが見下ろす中、化物はあっさりと腐肉を貪り終わり、骨となった皮切れから触手を抜き取った。そして二体目の死体へと近付こうとした瞬間、黒衣の者がいっきに駆け寄って行く。

(来たっ!?)

 男が急いで目を向けるも、疾風の如き俊足の男に視線が追いつかない。それが追いついた時には、男は勢い良く跳躍しながら凶悪な鎌を頭上へと振り上げていた。宙を凪ぐ鋭い音に化物は反応して、即座に左方へと身体を滑らせた。鎌が深く地面へと突き刺さって砂を煙らせるも、男は直ぐに鎌を抜き取った。そしてそれを更に振り抜こうとした瞬間、化物の身体と足が男の身体を押し倒した。息をもつかせぬ、昆虫のような動きである。
 幾本の足で男を固定して抵抗させないようにし、残りの足は地面に確りと立っている。柔軟な間接のお陰で男と化物の距離は一気に縮まり、口元の触手から粘ついた唾液が男のロープへぽたぽたと落ちていった。男が鎌を動かそうとするも、足の膂力のお陰で手首が固定され、上手く力が入らない様子であった。そして化物が死体へしたように一気に喰らいつこうと口を広げた瞬間、男は地鳴りのような唸り声を漏らし、強引に腕を振り上げた。瞬間、固定を強いてきた化物の足の間接がばっきりと逆方向へ折り曲がり、束縛を振り解かれる。男は目前へ迫っていた化物の頭部に、横合いから深々と鎌の切っ先を突き刺す。
 
『GiiiGeeeeeeee!!』

 耳障りな悲鳴を漏らして化物は身体を震わせ、執念の篭った動きで男の抵抗を妨
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