第十話
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手不得手があるわけだから適材適所ってところだ」
この面子で長所と短所がはっきり分かれている。近接戦闘に特化しているのは毒島と宮本。射撃なら俺と平野といった具合だ。俺も最低限の近接戦は出来るけど、近接戦の本職である毒島と宮本にはかなわないし、毒島も宮本も射撃に関して言えば得意というわけではない。
平野も近接戦は苦手だが、射撃の腕はこの面子の中ではレベルが高い。
「そういう事だ。私は近接戦なら自信はあるが、銃を扱うとなると素人だ。私は平野君の射撃の腕を信用しているよ」
「僕も平野の銃の腕は凄いと思ってるよ!僕なんて、平野や田中先輩みたいに銃を上手く扱える自信なんてないし、近接戦も得意って訳でもないんだからさ!」
毒島と小室の言葉に反応して、先ほどまで険しい表情をしていた平野の表情が元に戻り、安心したような表情になった。
「そ、そうですよね。僕は肉弾戦は無理ですけど、銃は扱えます。人によっては得手不得手があるのに、何をムキになって……」
「誰にだって感情任せになっちまう時はあるさ。それにさっきまで自称天才美少女が同じ状況になっちまっただろ」
「誰が『自称』よ!!私は本当に天才なのよ!そこを間違えないで、軍オタ2号!!」
2号って俺の事で、1号は……まあ平野だろうな。小室達はプ、と笑い出した。どうやら高城の親父さんの演説と行動によって張り詰めた空気になっていたのだろう。
「はいはい。じゃあ本題に入りましょう。今度こそ方針を決めるわよ!」
高城に注目が集まる。そう、高城の親父さんの演説の前に話し合った議題。別れるか?それとも飲み込まれるか?この二つの案は、今後の自分達の行動を左右する重要な分岐点だ。
「勝手だと思うけど、僕は親を探したい。」
小室は自分の目的を伝える。この屋敷にも十分に設備が整っているが、いつまでも電気・ガス・水道が機能しているか分からない。それに都市部であるこの地域にいつまでもいては、いずれは<奴ら>に囲まれて逃げ道がなくなる。そうならないように、早くて明日……遅くても2、3日で保護した一般市民も入れて、逃げる準備を進めるだろう。
その間に、小室と宮本は親を見つけると言った。期限が過ぎれば、その時はその時だとも伝える。
「すまないけど小室君。私は、娘と一緒にここに残らせてもらえないか」
ありすちゃんを抱いてそう呟いたのは、ありすちゃんのお父さんであるタカトさんだ。
「見知らずの私達をここまで連れてきてくれたのには感謝していよ。だけど、私は娘の命を最優先にしたいんだ」
「気にしないでください。これは僕と麗の都合ですから……」
「お兄ちゃん……」
「大丈夫。僕も麗も親を見つけたらすぐに戻ってくるから。」
「そうそう、大
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