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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十六話 ヴァンフリート4=2 (その1)
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参謀連中、分艦隊司令官が意見を言い出した。内容は次のようなものだ。
1.軽率な偵察はこちらの存在を敵に教える事になる。
2.総司令部からの命令は待機である。
3.敵の兵力が弱小であれば攻撃を受けてから対処すればよい。
はっきり言って理由になっていない。ラインハルトに対する反発からの反対意見、感情論だ。態度悪いもんね。姉のおかげで出世したと思っている人間もいるし感情論になるのもわかるよ。意見が出尽くしたようだ。意見というよりラインハルトに対する鬱憤を晴らしたという感じだ。皆、自然と俺の方を見ている。やれやれだ。
「小官はミューゼル准将の意見を支持します。もし、反乱軍が存在するとなると当然ですが彼らは機動部隊に救援を求めるでしょう。機動部隊がヴァンフリート4=2に来れば、我々は上空へ部隊を展開せざるを得ません、その際地上から攻撃を受ける事になります。最悪の場合、上空の機動部隊、地上の反乱軍、その両方から挟撃されることになります。早急に敵の存在の有無を確かめ、存在するのであれば速やかに排除するべきです」
「敵基地があったとして、攻撃中に敵機動部隊が来た場合はどうします。味方を見捨てるのですか?」
「敵基地の存在が確認された場合、まず総司令部に報告します。その上で敵基地を攻撃する。敵機動部隊が接近してきた場合には、地上に有る八千隻のうち五千隻を上空に展開し上空の五千隻と共に防衛戦を展開、地上の三千隻は敵基地の攻略終了後、攻撃部隊を回収し上空にある敵機動部隊の後方に展開し挟撃を図ります」
「しかし、艦隊戦で味方は劣勢です。耐え切れるかどうか……」
「心配要りません。ミュッケンベルガー元帥がすぐやってきます。元帥閣下は宇宙艦隊の実力を確認したいのです。我々が敵基地を攻撃すれば、救援がやってくると判断するでしょう。つまり決戦の機会が訪れると」
「司令長官を利用するのですか!」
「利用するとは人聞きの悪い。此処に基地が有るとなれば敵艦隊が来るのは必至です。ならばこちらの手で舞台を整えて差し上げようというのです。司令官閣下、いかがでしょうか」
「……参謀長に任せる」
「ナイトハルト、ワルキューレを使って偵察行動をさせてくれ」
「ワルキューレで、判った」
「それと対地、対空迎撃システムの設置と稼動を」
「判った」
「リューネブルク准将、ミューゼル准将、地上基地攻略のための準備を。敵兵力は2万を想定してください」
「はっ」
「敵基地が発見されたときにはそのままお二人に攻撃隊を指揮してもらいます。リューネブルク准将が主将、ミューゼル准将には副将を勤めてもらいます」
「承った」
「はっ」
■ラインハルト・フォン・ミューゼル
将官会議が終わった後、ヴァレンシュタイン大佐が参謀長室へ誘ってきた
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