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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第219話 囚われの美女
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かりと、いや もう 完全に《入り込んで》しまっていた。『ありがとう、妖精の剣士様』と言われ、紳士的に立ち振る舞うクライン。
VRMMOのクエストが進行中だから、ストーリーに没入するのは全く正しい態度だろう。キリトも揺らいでしまった事もあって、完全にクラインを引いてしまう様な態度は最早取れる様なものではない。でも――なんというか、あんな金髪美女を見ても普段と全く変わらないポーカーフェイスなリュウキの事が改めて凄い、と言うかユイの言う様に見習わなければ、と思ったり。
「出口まではちょっと遠いけど、1人で帰れるかい、姉さん」
「………」
その間も、どんどん進んでいく。入り込んでいく。
そして、金髪美女は クラインの言葉に目を伏せてしばしの沈黙をしていた。
《自動応答言語化モジュール・エンジン》とは、簡単に言えば、プレイヤーにAと言われたらBと答える、と言うパターンリスト。それが恐ろしく複雑だと言う事だ。擬似的で、とはいえ、後ほんのもう少しで、当たり前のように、人間に迫る勢いだ。
代表例が、ユイだろう。
だが生憎とあと少し、とは言っても まだ 自動応答のNPC達は ユイの域には遠く及んでいないから、即座に応答する事は出来ず、暫く考え込む。《正しい問い掛け》を模索しなければならないから。だが、その間も極めて人間を思わせる様な《表情》を浮かべる故に、違和感等は無いと言っていい。
そして、口をゆっくりと開いた。
「……私は、このまま城から逃げるわけにはいかないのです。巨人の王《スリュム》に盗まれた一族の宝物を取り戻すため、城に忍び込んだのですが、三番目の門番に見つかり、捉えられてしまいました。宝を取り戻さずして、戻ることはできません。どうか、私を一緒にスリュムの部屋に連れて行って頂けませんか」
「お……ぅ、むぅ……」
今度ばかりは、さしもの《武士道に生きる男》クラインは即答ができなかった様だ。苦しげに、唸るだけだった。
キリトの傍で、いろいろと追求していたアスナだったが、とりあえず こちら側に集中、彼女は所謂《戻ってきた》。そして、キリトに呟く。
「なんか、キナくさい展開、だね……」
「だなぁ……」
確かに、この手の話はキナくさい、と思ってしまうのも無理はない。
所謂、ラスボス相手に共に戦いましょう! と同行していたというのに……、いざ、対面するやいなや、あっという間に寝返り、ではない。元々が相手側だった。と言う展開。即ち『ふははは! 愚か者共めぇ!』と、刃を向けてくる。と言うパターンが王道……いや、麗しき美女だから、邪道? だったりする。
「お、おい……キリュウの字、よぉ……」
なんだか、クラインは何にも言えなくなってしまい、更には勝手に人の名前をひとまとめにす
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