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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第219話 囚われの美女
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先頭に立ち、フィールドボスを討伐する作戦会議が開かれた。そこで、当時の熱血と冷血を同時に持ち合わせていた副団長殿は『ボスがNPCを殺している間に、攻撃・殲滅します』と無情にもそう言っていたのだ。
確かに、NPCはシステムが自動生成するただのムービング・オブジェクト。だが、その世界で生きている住人、と言われれば間違いなく、当時の黒の剣士は真っ向から反対の声明を出し、傍らにいた白銀の剣士も、作戦を肯定はしたものの、『NPC達が消滅する瞬間は、プレイヤー達と何ら遜色のない事』と言い放っているのだ。
長らくこの世界に暮らしてきた者にとって、単なるオブジェクトなどとはもう言えない。当時の副団長殿は、まさに《鬼》になっている部分、正しくはなりかかっている部分が全面に前に出ていたから、であり 今では柔らかく 誰に対しても笑顔を見せる本来の姿に戻っているから、同じように感じてくれている筈だ。
その傍らで見守っていた副団長・補佐殿は言わずもがなである。
つまり、もっと時間に余裕、そしてゆとりがあれば、あの女性を助け、一緒に連れて行って、ストーリーの大詰めで後ろから『フハハハハハ! 愚か者めらが!』と言われ、大ピンチ、と言うのも良い。それこそが一興だと言える。
このメンバーであれば、そうなってしまっても、乗り越えられるだけの力はある、とは疑ってないが、最悪なのは『スタートに戻れ』と無情に言い放って、強制転移でもさせられた時だ。そうなってしまっては、強さとかは全く意味はない為、所謂《THE END》《GAME OVER》コース。そうなる可能性が捨てきれないから、踏み切れなかった。
それらを頭に浮かべているのは、キリト。そして リュウキも図らずしも。更にはレイナ。そして……以前 無情にも切り捨てようとしたアスナも 頭の片隅に渦巻いていた。
その時だ。
「罠、だよな……。罠だって、解ってる。―――でも、罠でもよ。罠だと解っていてもよ……」
がばっ! と、俯かせて走っていたクラインは立ち止まって顔を上げた。その目元には薄くにじむようなものがあったのは気のせいではあるまい。
「それでもオリャぁ……どうしても、ここであの人を置いていけねェんだよ! たとえ……たとえ、それでクエが失敗して……、アルンが崩壊しちまっても……、それでもここで助けるのが、オレの生き様―――武士道ってヤツなんだよォォォ!!」
と、叫び上げると 勢い良く振り向き、氷の檻にどたどた、とかけ戻っていく、クライン。
正直な所、演説を聞いてる間に『NPCに感情移入しちゃってる?』と思い。『クラインだからな……』とため息を吐く者もいたり……。シリカの頭上にいるピナに至っては、珍しく欠伸までしているときている。
以前にもNPCに感情移入をし
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