暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第16話「桜の実力」
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..?」

「.........。」

  恐る恐る山田先生が聞くと、千冬は黙り込む。

「山田先生、この話はここまでしよう。いいな?」

「え、でも....。」

「い・い・な?」

「は、はい!」

  威圧を込めてそう言った千冬に、山田先生はタジタジだった。








       =セシリアside=





「........。」

  試合が終わり、私は更衣室で少々放心していた。

「篠咲...桜....。」

  代表候補生であるはずの私を圧倒するだけでなく、私をさらなる高みへと導いた男...。
  それだけではない、このご時世、男は女性に弱くなっている。男は必要以上に女性に怯え、何でもかんでも弱気になっていて見苦しかった。
  かくいう私も女尊男卑という風潮に染まっており、男を貶すような物言いをしてしまった。
  それなのに、まるで何ともないように振る舞う彼の姿は、私の“心”も圧倒した。

「っ......。」

  いつもお母様に弱気になっていたお父様。
  私はずっとそれを見て育ってきた。
  だからこそ、男性はここまで強いのかと、彼によって思い知らされた。

「私は...何をしていたのでしょうか...。」

  弱気な一面しか知らなかった訳ではない。
  しかし、私はずっと男性を見下してきた。
  だからこそ、彼の強さを魅せられて目を覚ますような衝撃に襲われた。

「....後で謝罪しなければなりませんね。」

  男性だけでなく、あの時は日本そのものを侮辱してしまったのだ。
  だから、クラスの方達にも謝らなければ...。

「謝罪だけでなく、感謝もですわね。」

  人としての道を踏み外しかけていた私を戻してくれた“桜さん”に....。












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