暁 〜小説投稿サイト〜
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
124 憂鬱な再会
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
て道場の中を見た瞬間、不覚にもごくり、と喉を鳴らして──その雰囲気に当てられてしまった。

会うのを躊躇ってしまうしまう人物≠ェ──師匠の一人娘である(りょう)ちゃんが、道場の真ん中で跪坐(きざ)──爪先を立たせた正座をしていた。……それも、ただ稜ちゃんが跪坐をしているとけの場景≠ニ云う訳でもなく、その──瞑目しながらの稜ちゃんの佇まいは、とんでもなく()に≠ネっていたのだ。

【SAO】事件≠フ前はお世辞にもおしとやか≠ニは言い難かった稜ちゃんのその佇まいだが、2年≠ニ云う月日は、俺のその認識を改めさせるには十分だったのか、稜ちゃんのその変わり様≠ノは刮目(かつもく)せざるを得なかった。

……稜ちゃん(かのじょ)が目を(みは)るほどに変わってしまった理由>氛氓サんなもの、自意識過剰でなければ、1つしか判らない。

「稜、連れて来たよ」

師匠の言葉に反応したのか、稜ちゃんはゆっくりと瞠目(どうもく)して──これまたゆっくりとした所作でちゃんと俺の方に向き直り、先ほどの師匠と同様──万感が込められた表情を浮かべつつ(おもむろ)に口を開く。

「……真人さんがあの事件≠ノ囚われてから数日間。私の喉は何も受け付けなかったよ」

(……やっぱり、か)

稜ちゃんのその語り振りは、俺を自意識過剰≠ノしなかった。……(むし)ろ自意識過剰≠ネら、それはそれで笑い話になって助かったが、稜ちゃんの声音は俺の逃げ≠許さなくて──目を逸らさないで≠ニ言外に突き付けられている様な気分にすらなってきた。

(……こう見るに、やっぱり稜ちゃんも武家の娘なんだな──っ、これは…)

そんな風に染々(しみじみ)とした考えに没頭していると、稜ちゃんはいきなり立ち上がり、俺もよく知っている構え>氛汞双月流≠フ構えをする。

「……構えて」

「……3本先取な」

俺は稜ちゃんのしたい事≠承諾して壁際に立て掛けてあった槍を取り、稜ちゃん正面3メートル辺りの位置で構える。……もちろん、俺の構えも稜ちゃんの構えと同じ双月流=B

「始めっ!」

「「せぇぇいっ!!!」」

師匠の合図と共に、どちらかともなく槍をぶつけ合うのだった。

………。

……。

…。

「強いね、真人さんは。……負け、ちゃった」

「ああ、同じ流派でも年季が違う。……始めて2年も経ってない奴には負けてやれないよ」

俺の前には、はしたなくも──息を切らしながら大の字で倒れて稜ちゃんの姿がある。……結局のところ、稜ちゃんとの打ち合いは俺に軍配が上がった。ストレート勝ちだった。

俺が【SAO】事件≠ノ巻き込まれる前まで、稜ちゃん
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ