【ソードアート・オンライン】編
124 憂鬱な再会
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て道場の中を見た瞬間、不覚にもごくり、と喉を鳴らして──その雰囲気に当てられてしまった。
会うのを躊躇ってしまうしまう人物≠ェ──師匠の一人娘である稜ちゃんが、道場の真ん中で跪坐──爪先を立たせた正座をしていた。……それも、ただ稜ちゃんが跪坐をしているとけの場景≠ニ云う訳でもなく、その──瞑目しながらの稜ちゃんの佇まいは、とんでもなく画に≠ネっていたのだ。
【SAO】事件≠フ前はお世辞にもおしとやか≠ニは言い難かった稜ちゃんのその佇まいだが、2年≠ニ云う月日は、俺のその認識を改めさせるには十分だったのか、稜ちゃんのその変わり様≠ノは刮目せざるを得なかった。
……稜ちゃん(かのじょ)が目を瞠るほどに変わってしまった理由>氛氓サんなもの、自意識過剰でなければ、1つしか判らない。
「稜、連れて来たよ」
師匠の言葉に反応したのか、稜ちゃんはゆっくりと瞠目して──これまたゆっくりとした所作でちゃんと俺の方に向き直り、先ほどの師匠と同様──万感が込められた表情を浮かべつつ徐に口を開く。
「……真人さんがあの事件≠ノ囚われてから数日間。私の喉は何も受け付けなかったよ」
(……やっぱり、か)
稜ちゃんのその語り振りは、俺を自意識過剰≠ノしなかった。……寧ろ自意識過剰≠ネら、それはそれで笑い話になって助かったが、稜ちゃんの声音は俺の逃げ≠許さなくて──目を逸らさないで≠ニ言外に突き付けられている様な気分にすらなってきた。
(……こう見るに、やっぱり稜ちゃんも武家の娘なんだな──っ、これは…)
そんな風に染々とした考えに没頭していると、稜ちゃんはいきなり立ち上がり、俺もよく知っている構え>氛汞双月流≠フ構えをする。
「……構えて」
「……3本先取な」
俺は稜ちゃんのしたい事≠承諾して壁際に立て掛けてあった槍を取り、稜ちゃん正面3メートル辺りの位置で構える。……もちろん、俺の構えも稜ちゃんの構えと同じ双月流=B
「始めっ!」
「「せぇぇいっ!!!」」
師匠の合図と共に、どちらかともなく槍をぶつけ合うのだった。
………。
……。
…。
「強いね、真人さんは。……負け、ちゃった」
「ああ、同じ流派でも年季が違う。……始めて2年も経ってない奴には負けてやれないよ」
俺の前には、はしたなくも──息を切らしながら大の字で倒れて稜ちゃんの姿がある。……結局のところ、稜ちゃんとの打ち合いは俺に軍配が上がった。ストレート勝ちだった。
俺が【SAO】事件≠ノ巻き込まれる前まで、稜ちゃん
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