4部分:第四章
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ここまで話したうえで彼等に言うのであった。
「備えをはじめる」
「備えをですか」
「そうだ。まずは氷室から氷を出せ」
この時氷は冬の間に自然に出来た氷や雪を入れておくものであった。氷室は大抵地下の寒い場所に置かれている。そこに保存しているのである。
「氷をですか」
「そう、そして」
彼はさらに言う。
「皮を用意しておいてくれ」
「皮をですか」
「そうだ、しかもかなり厚い皮をだ」
こうも注文をつける。
「いいな、厚い皮をだ」
「一体何に」
「氷と皮とは」
「その時になればわかる」
彼はここでは全てを述べなかった。あえて隠してそのうえで含み笑いを浮かべるだけであった。
「その時にな」
「そうですか」
「それでは」
彼等も今はそれで納得することにした。こうして準備は整えられていったのであった。
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