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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二十五話 予感
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「ヴァレンシュタインは笑っていたろう。この程度の作戦案でいきがる俺を」
「ラインハルト様にはミュッケンベルガー元帥が我々を全く無視した形で戦いを行うなどわからなかったのです。ご自身を責めるのはお止めください」
「違うぞ、キルヒアイス。俺がミュッケンベルガーなら同じようにグリンメルスハウゼン艦隊を無視して戦ったろう。俺はそこまで考えずに作戦案を立てた。ヴァレンシュタインはそこまで読みきって作戦案を立てたんだ」
ラインハルト様の顔は屈辱に歪み、怒りに震えていた。
ヴァレンシュタイン大佐、恐ろしい男だ。彼はラインハルト様の覇道にどのように関わってくるのだろう。彼が敵になるのなら厄介な事になるかもしれない。
「キルヒアイス、どうした」
「ラインハルト様」
ラインハルト様は私が見ていた方向に視線を向けた。
「ヴァレンシュタイン大佐か……」
ラインハルト様は複雑な表情でヴァレンシュタイン大佐を見た。大佐はリューネブルク准将と談笑しながら去っていく。
私たちは彼の小柄な後姿を見詰め続けた。いつか彼と戦う事になるかもしれない……。
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