第10話 秘密の昼食
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たまたま屋上で休憩していた英雄に直訴して、ある程度の関係修復に努めた。
しかし世間体もある為、表向きは未だに冷戦状態を装い、裏では人の目を気にしながらも食事などをしていた。
そしてそれは今日も――――。
「ほう?と言う事は今朝から武神、川神百代に掃除させているのか」
「ああ、何時までも川神のわがままを許すわけにはいかないからな。そろそろ自戒と我慢を覚えてもらわないと被害が増える一方だ」
場所は川神学園屋上。
そこには、九鬼英雄と専属従者の忍足あずみ、冬馬達3人と士郎の合計6人がシートを広げた上で、昼食を取りながら話していた。
最初の話題は、今日の早朝から暫くの間、百代に掃除させる件だった。
因みに、本来であれば専属従者が主と食事をするなど規律上許されざることだが、士郎のとある発言で、英雄は楽しそうに笑った後に許したのだ。
そしてその発言とは――――。
『雇い雇われ関係と言っても、そこまでいけば家族同然だろ?従者部隊の掟とかもあるんだろうが、人目を憚ってるこんな時ぐらい、一緒に食事取っても罰は当たらないんじゃないか?』
この発言に英雄は楽しそうに笑ってから許可――――と言うよりも、言っても聞かないからあずみにその様に命令をしたのだ。
この事にあずみとしては複雑な気持ちだった。
(英雄様の横で食事の同席が許されるなど至極の極みだが、家族扱いって言うのがな〜)
今までは良き主従関係で、今では家族同然としての見方も加わった訳だが、何方も異性としての関係へ発展しにくいのがネックである。
絶対ではないが、あずみから見た英雄に対する監察結果としては、その予想が多分を占めていた。
それともう一つ因みに、専属従者は基本的に主と四六時中一緒だ。その為、主の行動を優先するので如何しても食事は簡易的なモノや即席なモノが多くなってくる。
そして九鬼英雄のスケジュールは父親ほどでは無いが過密だ。
その為、人目を憚る屋上での秘密の昼食は気分的かつ突発的に発生するので、英雄のは兎も角あずみ自身の弁当までは用意されていなかった。何時もの簡易的かつ歩き・立ち食い可能なモノしかない。
そこで士郎が考えたのが、予備の弁当を一つ用意する事だった。
秘密裏に屋上での昼食を取る時は、あずみにこの弁当を配給する事に成っている。
(相変わらず衛宮士郎の弁当美味ぇな〜)
この様に美味しく頂いていた。
そう言う意味ではあずみも既に、士郎に餌付けされていると言えるかもしれなかった。
閑話休題。
「だけど士郎さん。モモ先輩が我儘すぎるのは同意するっすけど、あんまり押さえつけ過ぎるとどこかで爆発しちゃうんじゃないんすか?」
「それについても取りあえずは心配
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