強くなりすぎた男
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レオンとガジルのようになりますし、互いの力が均衡していればラクサスとジュラのように激戦となります」
確かに、と納得している妖精の尻尾メンバーたち。しかし、それがなぜ今のシリルとレオンの状態をすごいと言えるのか、全く見えてこない。
「では、互いの能力が高く、集中している場合はどうなると思いますか?」
「そりゃあ・・・ラクサスたちみたいに激しくぶつかり合うんじゃないのかい?」
少女の問いにカナが答える。それに対してメイビスは1度、小さくうなずいてから言葉を紡ぐ。
「そういうこともあります。しかし、本当に強い者同士の戦いでは、なかなかそうはならないのですよ」
「?どういうこと?」
「確かに実力が高ければ激しくぶつかり合い、他者の想像を遥かに越える戦いをすることもできるでしょう。しかし、本当に能力を限界まで高めた場合、相手を一瞬で蹴散らすことも可能です。今の彼らはまさしくその状態でしょう。つまり、どちらかが動いた瞬間にこの戦いは終わりを迎えると言っていいでしょう」
シリルの滅竜奥義は3日目のバトルパートで絶対に無理だとされていたSクラスモンスターの撃破やBIG3の一角、カミューニを倒す時に使用した魔法。相手を倒す“決め技”と言っていいだろう。
それを対するレオンの滅神奥義は間違いなくこの大陸・・・いや、この世界の最強クラスの威力ある魔法と言っていい。それだけのものを喰らえば、例えどれだけの強者であったとしても気絶以上になるのは目に見えている。
両者共にこの一撃で戦いを決めるため、自身の最高の技を繰り出そうとしているのだ。当然、この一打で戦いは終わりを迎えると考えるのが当たり前だ。
「恐らく、2人の頭の中には同じイメージが出来上がっているはずです。一瞬の判断ミスで、相手の奥義が自身の体を貫くイメージが」
メイビスの言う通りであった。シリルとレオン・・・2人の頭の中には、自分が相手よりも先に動いてしまったら、その瞬間に敵の最大の魔法を受けてしまうイメージが浮かび上がっていた。
「となると、互いに敵に一切の隙を見せてはいけなくなります。そして、その隙を見落とさないように、相手から集中を途切れさせることもできなくなります。故に両者に動きがなく、ただ好機を待ち構えているのです」
自身の奥義が決まれば勝利を手にすることができる。しかし、それは相手も同じこと。
実力だけでいえば間違いなくレオンが有利だ。速度、パワー、その両方において今までのどの敵よりも強いことは火を見るより明らかだ。だが、シリルには相手の動きを見切れる目がある。先程まではレオンの速さについていけていなかったが、ガジルが時間を作ってくれたおかげでやっと彼の圧倒的な動きに目が慣れてきた。となると相手の動きにいち早く反応できるシリル
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