暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
107話:終わりから始まりへ
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になっていることにティアナは気づいていた。

 やはり思うところがあるのだろう、そう判断したところで、男性の足を止め三人を促した。
 男性が促した先には、ベットがあった。ガラスの向こうのそのベットの上には―――色々な医療器具が付けられ、全身の所々には複数の包帯が巻かれて、寝かせられている人物がいた。


「…つかさ、さん……」


 それをしばらく見ていたティアナが、小さく呟いた。
 ベットに横たわっているのは、ティアナの言う通り―――今回の事件で一番の重傷者となった、門寺士だ。

 先程手術を終えたという連絡が入り、病院にいた三人は士がいる部屋へとやってきた訳だが……


「―――く…ッ!」
「…………」


 険しい表情で数秒部屋を覗いたヴィータは振り返った先の壁に拳を打ち付ける。
 隣にいるフェイトも、ガラスに触れながら痛々しい姿になってしまった士を眺め、唇をかみしめていた。


「…手術はとりあえず、成功です。ただ…もう大丈夫だとは、言い切れません。
 今回の戦いでのダメージが、回復したとしても抜けきるとは限りませんし…特に胸部にできた切り傷は、おそらくこれから先も残るかもしれません」
「そう…ですか…」
「現状では…意識を取り戻しても、1、2ヵ月の安静が必要かと」


 それはつまり、今回の事件における士の復帰は……期待できない、と。


「なら…あたし達でなんとかしねぇとな。コイツが出しゃばらなくてもいいように…」
「そうだね」
「「え…?」」


 しかし医師の見解を聞きつつも、険しい表情を崩さぬままフェイトとヴィータはそう言った。
 今、二人は何と言った? 出しゃばる? こんな重症を負ったこの人が…?


「そんな馬鹿な…門寺三佐は、これ程の重症者なのですよ!? それなのに…!」
「―――動くさ、コイツはきっと」


 だからイラつくんだよ、そうヴィータは呟く。
 コイツはそういう奴なんだよ、自分の身も顧みないで、他人の事ばかりを気に掛けて。全部守ろうとするんだ、自分がどれだけ傷つこうとも、どれだけ倒れようとも。

 何度でも立ち上がって、自分の大切なものを守ろうとする。いつだってそうして来た男だ。


「だから今度はアイツが動かなくてもいいように…」
「士に心配させないようにしないと、ね?」
「は、はい…!」


 未だ険しい表情のヴィータ。ティアナに言うフェイトは、少し笑みを浮かべていた。ティアナに心配をかけないようにする為だろうか。
 確かに、あの人がここまでやられるなんて、想像していなかった。が、再び立ち上がると言われると……逆に想像できた。あの、あんなに強い人が再び立ち上がる姿を。

 しかしそれが想像できるからとい
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