暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
107話:終わりから始まりへ
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[現場は?]
[シグナム副隊長に代わっていただきました]
[そう…フェイト隊長も向かっている筈だから]
[はい。……あの、さっき伺った話ってスバルやシャーリーさんに伝えても?]
[そうだね、伝えて元気が出るようなら教えてあげて。判断は任せるよ]


 なのはの言葉に[了解しました]と返し念話を終わらせる。
 会話の間にも、隊舎の中を歩き回っていたなのは。その時、別の隊員から声を掛けられ足を止めた。

 その隊員が手に持っていたのは―――煤まみれになっているウサギの人形。なのはがヴィヴィオに渡した、ヴィヴィオが大事に抱えていた人形だった。

 それを受け取ったなのは、拾ったのは隊舎(ここ)から少し離れた、戦闘の跡があった場所。
 おそらくシャマルが証言していた場所だろうと判断した彼女は、報告に来た隊員に礼を言って指示を出し、そのまま歩みを進めた。


 ―――しかし途中で、足が止まる。
 肩が、人形を持つ手が、震える。崩落した瓦礫と火災によって煤まみれになった床に、染みが。なのは以外誰もいない空間に、小さな嗚咽が響いた。
























 ―――何もない空間が広がる。

 空は灰色、下は濁った水。水底は見えず、水面上にある足から波紋が広がる。
 ただ、色がない世界。カラーがなく、白と黒と灰色だけで構成された世界。そこに一人だけ、立っていた。灰色の水の上に、ただ茫然と……


「―――よう、久しぶりだな」


 いや、一人ではなかった。唐突に現れた人物を、もう一人はジッと見つめる。
 ニヤニヤと笑う一人。対しただ佇む一人。それはあまりに対照的で……

 しかし、可笑しいのが―――二人共同じ顔≠ネことだろうか。


「……起きてた≠フか?」
「あぁ、ふとした拍子にな」


 なんともまぁ派手にやられたもんだな、と言いつつ笑みを絶やさない。
 それを見たもう一人は、更に険しい表情―――というより、少し不機嫌といった感情も混じっているだろうか。そんな表情に変わった。


「…アイツ≠ヘ何者だ? お前なら知ってるんじゃないのか?」
「さぁね〜、どうでしょう? 知りたかったら無理矢理吐かせればいいんじゃない?」


 問いかけられても、笑ったままお道化るように、小馬鹿にしたような態度で返す。もう一人は余計に機嫌を悪くした。
 はぁ…と深いため息の後、右腕を掲げた。そこには、赤い宝石がはめ込まれた白いブレスレットが。


「なら、そうさせてもらおう」
〈 KAMEN RIDE ――― 〉


 ブレスレットが光り、視界が遮られるのと同時に、音声が響く。視界が元に戻った頃には、仮面の男が
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