Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 31. Instant Death・Immortal Life
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ドステップを駆使して躱しながら、リーナが後退。俺の横へと着地する。
「一護、手柄の独り占めはダメ。私も一緒にやるから」
「……そうかよ。んじゃ、せいぜい気ぃつけて戦えよ」
「単騎突撃した貴方が気を付けて、とか言っても説得力ない。それに、そろそろ縮地の制限時間がくるはず。カバーするから、早くシステムウィンドウで停止コマンド使って」
「っと、そういやそうか」
互いに武器を構えたまま、システムウィンドウを表示。残り十秒くらいで尽きそうになっていたゲージの減少を止める。熟練度をカンストさせた今、回復にかかる時間はだいたい二分。その間は、縮地が使えなくなる。
そのことに気を引き締め、刀を構え直した俺とリーナの前に、ヒースクリフ、キリト、アスナが並んだ。
「……一護、リーナ。アイツの鎌は俺たちで食いとめる。二人はあの遠距離攻撃を防ぎながら、ボスのHPを削ってくれ」
「リーナは一護の傍にいてあげてね……なんて、私が言わなくてもいいかもしれないけど」
「無論」
こっちに背を向けたままキリトとアスナが言い、それにリーナが短く答える。ヒースクリフだけは無言で盾を構え、敵を見据えたまま動かない。
いつの間にか、俺たちの周りには他の連中も集まってきていた。クラインたち風林火山や、エギルの姿もある。皆の顔には緊張と士気が半々で宿っていた。が、恐怖に震えてる奴は、一人もいない。
「……ああ、上等だ。俺は、俺たちは絶対に、コイツをブッ倒す!!」
俺は刀を振り上げ高々と宣言し、猛然と向かってくる骸骨百足へ三十人の仲間と共に突撃していった。
◆
――どれほどの時間が過ぎた頃か。
「おおおオオオオオオッ!!」
何十回発かの俺の《残月》がボスの顔面にクリティカルヒットし、HPの最後の一段が赤く染まった。同時に、さっきまでとはまるで異なる弱弱しい叫びが木霊す。
その様子を見たヒースクリフの目が、僅かに見開かれた。
「――全員、突撃ッ!!」
その号令の下、俺たちは一斉に飛びかかった。赤青緑、無数の色のエフェクト光が迸り、最早無抵抗となったボスの身体へと殺到する。
そして、何十、何百発目かの誰かの攻撃が叩き込まれた瞬間、ついにボスのHPが尽きた。断末魔を上げ、上体をのけぞらせ、ボスの身体が大きく揺らめく。
そのままポリゴン片と化し、ボスの巨体は四散する――かと思われた。
だが、ボスの目はまだ死んじゃいなかった。
ぽっかり空いた眼孔に燃えるような赤光が灯り、歪な口が大きく開かれる。
まさか――まさか!
「マズい! 全員、奴の正面から離れろ!!」
俺がそう叫んだ、その直後。奴の口に紅色の閃光が収束、半秒と経たずに射出さ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ