Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 31. Instant Death・Immortal Life
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した。揃って大きくふっ飛ばされ、HPがグイグイ削れていく。咄嗟にクラインたちが動き、せめて落下ダメージを減らすべく受け止めようと身構えた。
だが、それは無駄に終わった。
飛ばされた奴の一人とクラインが触れ合う直前、そいつのHPが尽きた。硬質な音を立ててポリゴンをまき散らしつつ爆散。次いでもう片方の奴も同じ道を辿った。
「う、嘘……だろ……!?」
「一撃で、死亡だと……!?」
エギルとキリトが絶句する。ボスの情報が皆無に等しい戦いの備えて、今回は高レベルプレイヤーだけが召集されているはずだ。なのに、連続技どころか単発技を一発喰らっただけで死ぬなんて、最上級トラップ並の理不尽さじゃねえかよ。
ボスが喜悦を含んだような奇声の絶叫を上げる。それを睨みつけながら、俺は刀を握る手に力を込めた。
「……クソッ……調子に乗ってんじゃねえぞ、クソ百足!!」
速攻で縮地を発動。巨体にそぐわない俊敏さで更なる獲物を刈るべく突進する奴目掛けて、刀を引っさげて肉薄した。
鎌が俺を刈るより一秒早く間合いの内側に入り、全力の斬撃を一撃、二撃。僅かに後退したボスの鎌をスウェーバックで躱しつつ、縮地のスキル制限の四秒を消化。直後に近距離で《残月》を発動し、
「他人の記憶を、勝手にパクるんじゃねえよ!!」
ガラ空きになった顔面に叩き込んだ。
体勢を立て直す時間はやらない。縮地で鎌の反撃を回避し、横っ腹から突貫。斬りつけ、今度は槍みたいな尻尾の薙ぎ払いを跳んで避け、着地と同時にさらに縮地。ボスの頭の下に潜り込んで、
「ブチ割れろおおおぉぉッ!!」
ブーツの底で、顎を思いっきり蹴り上げる。ガキィンッ! という音が響き、奴の上体が大きくのけぞる。鎌への赤い閃光の収束を見た俺は、縮地を発動して大きく後退。射線上から退避した。
攻撃を躱されたボスは俺の姿をすぐに捕捉。唸るような声を上げつつ、体勢を沈めて突進体勢を取る。
だが、ヤツが動くよりも早く、俺の背後から複数の人影が突撃していった。
先陣をきったヒースクリフが初撃の鎌を十字盾で弾き返し、二撃目はキリトとアスナの同時防御で軌跡が変わり、地を抉るだけに終わる。そして、空いた正面へとリーナが躍り込み、
「――くたばれ!!」
真紅の光を引きながら、顔面中央に短剣の刺突を叩きつけた。
さらに逆手持ちで剣閃を、六、七撃と高速で続け、最後の斬り払いと同時に緑に輝く拳打を二発。シメとばかりにボスの額にストレート一発。計十連撃のコンビネーションで、ボスのHPを削り取った。
だが、俺とリーナの攻撃を食らっても、ボスは全く揺らがない。削れたHPは、五段あるうちの最初の一つ、その五分の一かそこらだ。
放たれた似非虚弾をサイ
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