Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 31. Instant Death・Immortal Life
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て、全員が一斉に散っていく。
だが、中央付近にいた数人が動けずに固まったままだ。どっちに逃げたモンから逡巡してんのか、それとも恐怖で動けねえのか、あるいはその両方か。どれかは知らねえが、今はどうでもいい。
「チッ!」
俺は舌打ちしつつ、助走を付けて跳躍。同時に『縮地』を発動し、落下してくるボス目掛けてミサイルのように突っ込んだ。
『縮地』のスピードを乗せた渾身の蹴りを腹部に叩き込んで、ボスの身体を足場に再度跳躍。刀を水平、次いで垂直に振り抜き、
「――ブッ飛べ、百足野郎が!!」
月牙十字衝に似た十字斬撃、《過月》を撃ち出した。
青い十字架が高速で飛び、ボスの胴に叩き込まれた。その衝撃で落下機動がねじ曲がり、真下にいた数人の真後ろに落ちるはずだったボスの巨体は、そこから二十メートルほど離れたトコへ轟音と共に落っこちた。
それを上空で確認しながら、俺は体勢を立て直しつつ着地する。地味に食らった落下ダメージを回復するために、腰に括りつけたポーチから回復ポーションを取り出して一気に飲み干す。
「一護、怪我ない?」
「ああ。連中は無事か?」
「ん。多分、貴方以外は全員無傷」
「そうかよ」
駆け寄ってきたリーナの言葉に少し安堵していると、横からアスナが食いかかってきた。
「ちょ、ちょっと一護!? いきなり無茶苦茶しないでよ!! 下手なことすると冗談抜きに死ぬわよ!?」
「あ? いいじゃねえか。別に死んでねえんだし、死ぬつもりもねえよ」
「それは結果論でしょ!? 貴方は主戦力なんだから、もう少し慎重に――」
喧しくアスナが言葉を続けようとした時、落下したボスがこっちを見て、両手の鎌を大きく振りかぶったのが見えた。そこに紅い光の煌めきを見て、俺は反射的に駆け出した。
「ッチィ!! 退けアスナ!!」
アスナを押しのけ、同時に刀を振りかぶる。
そして、俺が飛ばした《残月》と、ボスが飛ばした二つの紅い閃光の一方とが、相討ちになって消し飛んだ。
光の収束の仕方といい、あの速力といい。六十一層でやり合ったフィールドボスと、いや、現世や虚圏で戦った破面連中の技と、よく似ている。見間違うハズもない。
俺の仮面に似た紋が刻まれてるから、またなんか仕込みがあるんじゃねえかと警戒しちゃあいたが、まさかあの技の模倣を――霊圧を押し固めて虚閃の二十倍のスピードで敵に叩き付ける凶技『虚弾』を――使ってきやがるとは思わなかった。
またしてもクソ忌々しいカーディナルに記憶を読まれたことに滾る怒りを感じながら、防ぎ損ねたもう一方も撃墜すべく、刀を振りかぶる。
――が、一歩遅かった。飛翔した虚弾モドキが、さっき真ん中でモタついていたうちの二人に直撃
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