Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 31. Instant Death・Immortal Life
[4/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
力強い一言に、この場にいるほとんどが大きな歓声で応えた。後ろの方でキリトとアスナが密着してんのが見えたが、まあデカい戦の前だ。イチャついてんのを茶化すのは止めとくか。
視線を戻すと、俺の左隣に陣取ったリーナが俺を見上げていた。微かな笑顔を浮かべ、聞こえるか聞こえねえかの大きさで「頑張ろ」とだけ言う。俺はそれに肯定の頷きを返し、扉の前へと足を進める。雄叫びが響き渡る中で、扉正面に陣取ったヒースクリフと目が合った。
「一護君。今日は期待しているよ。死神の二つ名に違わぬ神速、存分に発揮してくれたまえ」
「エラソーな口利きやがって。オメーに一々言われなくても分かってるっつの」
「そうか、それは何よりだ」
再びのナゾ微笑を俺に返した後、ヒースクリフは後ろを向き、扉に手を掛ける。耳障りな低い金属音と共に扉が開くのを見ながら、ゆっくりと刀を構える。
「――死ぬなよ、みんな」
いつの間にか、俺の右横に立っていたキリトが、白黒二振りの剣を構えながら言った。その横には、日本刀を手にした武士装備のクラインと、両手斧を握り締めるエギルの巨体がある。
「安心しろ、頼まれたって死んでなんかやらねえよ」
そう返してやると、キリトはニッと笑って見せた。クラインたちも「へっ、お前こそ」「今日の戦利品で一儲けするまではくたばる気はないぜ」とふてぶてしく言い返す。
そして、ヒースクリフが十字盾の後ろから長剣を抜き放ち、頭上高くに掲げて叫ぶ。
「――戦闘、開始!!」
その言葉と同時に、開き切った扉の内部へと俺たちは雪崩れこんだ。瞬時に半円状に展開して、臨戦態勢を取る。
部屋の中は、かなり広い円の形をしていた。コリニアのコロシアムと同程度の面積の床が広がり、周囲には真っ黒い壁がそびえ立つ。ボスの姿は、まだ見えない。
そのまま、俺たちは警戒態勢を維持する。視界の端で秒数がカウントされていくが、何か起こる気配はない。
だが、ボス特有の嫌な気配は確実に感じる。もうこの部屋のどっかにはいるはずだ。視界に入らなくても、どこかに潜んで――いや、違う!
「上だ!!」
「上よ!!」
俺とアスナが叫んだのは、ほぼ同時だった。
遥か頭上高く、ドーム状の天井に、ソレはいた。
骨でできた全身。何十本あるんだか数えきれないような、先の尖った足。長い胴体。両手の大きな鎌。髑髏を模した頭部。そして――顔の右半面に広がる、見覚えのある放射状の紋様。
名称『The Skull Reaper』。
百足に巨人の骸骨の上半身を組み合わせたようなソイツは俺たちを見ると、奇声を発しながら一気に落下してきた。
「固まるな! 距離を取れ!!」
ヒースクリフから指示が飛んだ。それに合わせ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ