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アギトが蹴るアナザー
帝具を蹴る
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る。

「コウタロウ!? ラン! 今どうなっている!? 報告するんだ!!」
「大変です! 奴がコウタロウ君を掴み、遥か上空まで跳び上がりました!」
 何だと!?とエスデスは悲痛に声を上げる。まさか、敵はコウタロウを高所から地上へ叩きつける気なのではあるまいか? エスデスの一抹どころではない不安が胸一杯に広がる。
 そして現実のものとなるのだ。

「ハァッ!!」
「ギャアアアァッ――……!!」
 コウタロウは遥か彼方。帝都郊外の方へ投げ飛ばされてしまった。
「悪め!! よくもコウタロウさんを!!」
 そんなに親交のないセリューですら、空にいる仲間を投げた賊を睨みつける。アナザーアギトの着地地点に大口を開けたコロを待機させ、落下してくるのを待つ。空中で自在に動く事はできまい。そう考えての事だった。通常の、金色のアギトならそれでよかっただろう。
 だが、彼は力を完全に制御している――同じ転生者のコウタロウ以外には金色に見えているが――まさに化け物前とした姿のアナザーアギト。

 彼の背中には天使であるロード怪人達のような翼がある。昭和ライダー達のようなソレが背中にあるのだ。
「そ、そんなぁ! 背中のマフラーで飛べるのぉ!?」
 スタイリッシュは驚きの声を上げ、宮殿の外へ離脱していくアナザーアギトを見送る。正確に言えば二対のマフラー状のソレでは飛べはしない。滑空しているのだ。
 ランのマスティマのように自由に飛行できるわけではない。だが地上から肉眼で、高度60m以上に居る生物が飛行しているか、滑空しているか等、余程目が良くないと分かるものではない。
 その後、エスデスの怒りが天を届くのでは。とも言えるような表情と声色でイェーガーズはおろか、宮殿全兵士に超緊急コウタロウ捜索命令が出されたのは言うまでもない。
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