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アギトが蹴るアナザー
帝具を蹴る
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だ、隠蔽が下手――という隠す気が更々なかった。
 それがこの転生者の致命的なミスである。

 まずは目――アギトアイズ。大抵の生物は眼球まで硬いということは殆ど無い。それが神の力を持つアナザーアギトであっても。しかも、覆う瞼がなければ尚更のことだ。
 次に角――アギトホーン。コウタロウや原作の翔一が変身する金色のアギトと同じく、視覚・聴覚・嗅覚の働きを担っている。そしてパワーが蓄積して自壊しない為に、余剰エネルギーを外に放出する放力板の役割も果たす。

 通常のアギトであれば、これは2本しか立っていない。トドメを指す際のみ、力を開放するため、6本に展開させ、必殺技を放つのだ。
 しかし、アナザーアギトは違う。常時開きっぱなしなのだ。完全にアギトの力を制御できている為に出来る芸当である。
 そのおかげで、アギトの――現在確認されている――最終強化フォームであるシャイニングフォームに匹敵する程の戦闘力を発揮させる。これが他者から見れば無謀な、イェーガーズ全メンバーがいる宮殿への襲撃を行わせたもっともたる要因だろう。

 最後に胸の――ワイズマンモノリス。このパワーコントロール器官によって、腹部のベルト――から発生するアギトの力を全身に効率よく供給・循環させ、同時に強大な力をコントロールしている。
 これが傷つけられたせいで、暴走するなんてことになれば目を当てられない惨事になるのは想像に難くない。どの程度のダメージで、駄目になるのかは彼はまだ試してない。もっとも余計なことをして望まぬ結果をもたらすことになれば、わざわざこの世界にアナザーアギトととして転生した意味がなくなるのでしないのだ。

 賊の欠点が露呈したことによって勢いづくイェーガーズ。ただ一人、転生者コウタロウだけは不安げな表情でことの成り行きを見ていた。氷の女と言われるも、確かにある腹のぬくもりを腕に感じながら。
 ここで、正面からモノリスを剣で狙うエスデス。その左からクロメが帝具の刀「八房」を中段に構え、目を。反対側の右からは脅威の防御力を誇る鎧の帝具「グランシャリオ」を纏うウェイブが攻撃をくらわせんと脇を固める。

 この加撃をたまらず避けようとしたのか、アナザーアギトは後ろに大きく宙返りながら跳躍する。
 そう、殺人的なブースト機能を持つウェイブ以外追撃できない程に。
「逃すかっ!」
「――ッ!? 深追いするな!」
 
 どんなものでも弱点や欠点はある。だが、それは突くだけの『技や力』があれば有利に建てるというだけだ。
 ウェイブは注意力を欠いていた。奴が防御に回らなければいけない程に【突けば】動きを変えるツボを見つけたせいで散漫になっていたのだ。
「フンッ!!」
「ぐふ――っ!?」
 アナザーアギトの拳がウェイブの鳩尾にめり込んでいたのだ。あのグ
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