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アギトが蹴るアナザー
宮殿を蹴る
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イェーガーズメンバーが到着していたのだから。
「聞いていた通り金色で目立つな……グランシャリオと似たタイプか? だったら――!」
 ウェイブは【戦士】が自分の帝具と同じように全身に鎧を装備する型だと考え、即座にグランシャリオを身にまとう。エスデスの指示があり次第すぐに参戦できるようにだ。クロメも八房を構える。ただ彼女はたかが一人であるし、エスデス将軍もいる。だから自分がわざわざ戦わなくてもさっさと終わるだろうと少しだけ気を抜いていた。

「よくも騒ぎを起こしてくれたな。貴様のせいでフェイクマウンテンでの私とコウタロウの愛のラブラブデートが遅れるではないか。覚悟しておけよ?」
 ふつふつと怒りを煮えたぎらせるエスデス。普段なら今の言葉の中に混じったフレーズに心の中でツッコミを入れる
コウタロウだが、そんな余裕はなかった。
(なんでアナザーアギトがいるんだ!?)
 その名は本来彼が変身する【金色の戦士】の姿とは大幅に違い、両肩の肩甲骨の辺りから出ているマフラー状の羽が生え、非常に生物的かつ有機的であり、ダーティな仮面ライダーなのだ。
 それはいい。

 問題は2つある。
 ひとつはそのライダーが何故この世界にいるのかということだ。まあ、真相はコウタロウと同じ転生者なのだが、現在混乱中の彼がその事実に気づくのはしばし後のことである。これは気付いてしまえば、そう大したことでもない。ただもう一人の転生者の動きによっては元々の原作通りいかない可能性が大きい。これは少なからず厄介ではあると思う。
 もうひとつは原作〈仮面ライダーアギト〉にて、主人公の津上翔一のアギトと瓜二つに見える事だ。実際イェーガーズの面々は見間違えている。このまま眼前にいるアナザーアギトがこれ以外にも騒動を起こせば、それはそのままコウタロウの変身するアギトの罪になるのだ。
 正直たまったモノではない。知らず知らずのうちに大罪人になっていたなんて笑えない。それに宮殿を襲撃した事実は明日には帝都中に広がってしまうだろう。そうなるとアジトにいる仲間のナイトレイドに色々問い詰められることは必然。帰ったらただちに真実を話さなければ、大好きなレオーネを初め、勘違いされたままなのは絶対に御免こうむる。

 そんな風にコウタロウがこれからやらなければならない事に必死で頭を巡らせていると、横にいるエスデスが口を開いた。
「しかし貴様も運が悪い。ナイトレイドなんぞに属していなければ、我らイェーガーズの一員として功績をたてられたろうに。だが安心しろ。貴様の帝具は元通り帝国繁栄の為に活用されるのだからな」
 「帝具だと……?」
 暗にお前はもうすぐ死ぬという意味合いが込められているのだが、向けられた彼は一切その事に気にする素振りも見せず、むしろエスデスの言葉にアナザーアギトが『まるで癪に
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