第四話
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
────
「はー、そうかぁ。嬢ちゃんも最近こっちに来たのな」
「はい。それでファミリアの勧誘をしていたのですが誰も集まらなくて・・・・・・」
「すいません。こんなとこが本拠地だなんて、格好つきませんよね・・・・・・」
「なぁに。壁と屋根があれば楽園よ。おっちゃんあのままじゃ野宿だったし」
対面する形で座る二人。
現在地は西と北西の大通りの間の区画の中ほど。
そこにあるイシュタルがつい最近借りたと言うあばら家だ。
「でもいいのかい?こんなおっちゃんでさ。それこそ格好つかんだろ」
「いや、それは、その・・・・・・」
「やめるなら今だぜ?」
「ち、違うんです!前からずっとあなたのことが気になっていて──」
前から?とするとまさか・・・・・・
「・・・・・・ひょっとして、俺のこと知ってる?」
しまった。という表情を作るイシュタム。
となるときっとそうなのだろう。
「あー、あれの言ってた仲間内って奴な・・・・・・」
「はい・・・・・・黙っていてごめんなさい・・・・・・」
「一応聞くが、元の世界に戻したりとかは──」
「出来ないです・・・・・・ここでは力も殆ど無いですし・・・・・・」
「まぁ、そうなるわな・・・・・・」
沈黙が場を支配する。
下界に降りた神は力を発揮できない。
件のメモにはそう書いてあった。
「ま、いいさ」
「へ?」
「組織やら警察やらとの追いかけっこにも飽き飽きしてたとこだしな」
「見世物にされてるのはちっと気に食わんが・・・・・・」
「つまり、その、これからよろしくって事さ」
「え、は、はい!」
握手を交わす二人。今ここに新しい【ファミリア】が誕生した。
その行く末は運命のみぞ知ることだろう。
────
飛び散る脳髄、迸る血飛沫。
.45ACP弾が哀れなゴブリンやコボルトを軽快に引き裂く。
「ハッハッハー!ぜっこぉうちょー!」
マサに肉薄したコボルトがまた一匹細切れにされる。
小物相手に威力は必要ないと考えドラムマガジンのトンプソンを持ってきたのも正解だ。
「ヒャッハー!!!」
神の恩恵を受けてから、狩の効率は格段に上がった。
身体能力、特に動体視力と反射能力が上がり、対象を捕捉するのが容易になったのだ。
それに加え囲まれたとき用に閃光手榴弾を用意したのもあり、昨日よりも多くの魔石を集めることが出来ていた。
「いやぁ、爽快爽快。良心も痛まんし。」
「中々の天職な気がするぜ」
「っと、もうここら辺のは粗方仕留めたかねぇ・・・・・・」
現在は迷宮の第五階層。
ギルドの受付曰く、下に行けば行くほど敵が強くなったり
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ