第四話
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増えたりするらしい。
故に無闇に下の階層までは潜るな、と釘を刺されていた。
が、しかし。この第五階層はむしろ敵が少ないようにも感じる。
「まぁ、滅多なことじゃ死にゃあしねぇし」
「でももうそろ引き上げてもいいかねぇ」
魔石はすでにかなり集まった。
これで少しは贅沢が出来そうな気がする。
「土産でも買ってこうかなぁ・・・・・・嬢ちゃん喜ぶだろうし」
という具合に魔石を拾い終え、タバコを吹かしながら踵を返した時だった。
「ん?」
地面が揺れている。
等間隔に、一定のリズムで、だ。
しかもその揺れはどんどん大きくなっているように感じる。
どこかで見たような気がして考察。
数秒ほどで思い出した。そう、これはモンスターパニック映画の演出に────
『ヴヴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!』
「ほぁあああああああああああああああああっ!?」
似ていると思ったとき。
少年と牛頭の巨人が曲がり角から姿を現した。
「おいおいおいおい・・・・・・!嘘だろっ!?」
「にっ、逃げてくださぁぁぁぁぁぁぁい!」
『ヴゥモォォォォォォォォォォォォォォッ!』
すぐそこまで迫り来る白髪頭と逞しい巨体。
肩にかけていたトンプソンを、急いで前方へと向ける。
ここまで近ければ外すまい。
そう考え引き金を思い切り絞る。
それと同時に弾倉に残っていた弾丸が、物々しい炸裂音と共に飛び出した。
撃ち出された弾頭は少年に当たることなく真っ直ぐに怪物へと襲い掛かる。
だが、しかし。
角に当たった弾はあらぬ方向へ跳ね返り。
軟体組織に当たった弾は動きを止めるには力不足。
結果として怒りを助長させるのみだった。
脇を抜けていく少年。
それに続く牛の怪物は邪魔だと言わんばかりに手を振りかぶり──
「・・・・・・!ブゲッ!?」
マサを勢い良く薙ぎ払った。
物理法則に従いマサは吹っ飛び、打ち付けられ、そのまま壁の染みへと成り下がった。
────
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