第四章
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「イタリアの中のね」
「荒んだ子供達の中にも」
「こうした奇麗な姿もあるんだね」
「その姿を読んでもらって」
「子供達の心も」
「うん、奇麗にしていくよ」
こう言ってだ、そしてだった。
アミーチスはその作品を発表した、子供達に向けて。
その作品を読んでだ、子供達は言った。
「僕達もこうありたいな」
「そいうだよな」
「喧嘩ばかりしていないで」
「こうした友達でいたいな」
「こんな風になりたいな」
こう思ってだ、実際にそうある様にした。
それでイタリアの子供達は全てではないがアミーチスの作品から心を奇麗にしていって行いをあらためもした。
イタリアの荒んだ子供達の心は確かに奇麗になり行いもあらたまった、アミーチスは自分の書いたもので子供達がそうなってくれたことを喜んだ。
そしてだ、友人達に泣きそうな顔で言った。
「こんなに嬉しいことはないよ」
「うん、君の書いたものでね」
「子供達は確かに落ち着いてきたね」
「前よりも荒んでいないよ」
「白く奇麗な感じになったよ」
「それは冥利に尽きるよ」
書いた者として、というのだ。
「本当にね」
「うん、君が書いたものがよかったんだよ」
「だから子供達も読んでだよ」
「あの作品の様になりたいと思ってね」
「それで変わっていったんだよ」
「僕達が読んでもね」
アミーチスの作品をだ、大人である彼等がだ。
「素晴らしいよ」
「読んでいて涙が落ちる程だ」
「この作品を子供達が読めば」
「余計にいい筈だよ」
「だからね」
「君の功績になるよ」
「僕の功績かどうかはいいとして」
アミーチスはそうしたことにはこだわらなかった、だからこのことはいいとした。
「子供達の荒んだ心が奇麗になったことは嬉しいよ」
「そう言うんだね」
「君の書いたものを子供達が読んで心が奇麗になる」
「そのことだけでだね」
「僕は充分だよ、こんなに嬉しいことはないよ」
今もだ、アミーチスは泣きそうな笑顔で言うのだった。彼にとってはそれで充分であり最高のことであるからこそ。
彼の作品はイタリアの子供達に読まれ続けた、後になっても。
そしてイタリア以外の国でもだ、各国の言葉で読まれた。
そのうえで子供達の心を奇麗にしていっている、白く清らかな心に。クオーレ、彼が書いた作品は今も人々の特に子供達の心を奇麗にしている。彼が残した最高の宝である。
白くさせたい 完
2015・7・16
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