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白くさせたい
第二章

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「一体ね」
「そこが難しいね」
「聖書が第一にしても」
「聖書は子供達にはまだ難しい」
「子供達にわかりやすい様な話があればいいけれど」
「このままではイタリアにとってもよくないし」
 アミーチスはさらに言った。
「あんな荒んだ子供達も見ていたくない」
「子供達にとってもよくないしね」
「荒んだままでいては」
「心は出来るだけ白くなっていないと」
「奇麗になっていないとよくないからね」
「そう、だから僕も悩んでいるんだ」
 それも心からだ。
「どうにか出来ないのかってね」
「荒れている子供達を見ているとね」
「本当に心が痛むね」
「だからどうにかしたい」
「そう思うものだね」
「果たして僕に出来ることは」
 アミーチスは心から考えていた。
「ないかな」
「政治家として以上にだね」
「子供達を想う者として」
「出来ることはないか」
「そう思うんだね」
「そうだよ、今はね」
 今のアミーチスはというのだ。
「何がいいだろうか」
「難しいことだね」
「それも非常に」
「そう言われてもね」
「具体的にどうするか」
「それは難しいことだね」
「全くだよ、だから悩んでいるんだ」
 今実際にというのだ。
「どうすればいいのか」
「君は文章も書けるけれど」 
 ここで友人の一人がアミーチスに言って来た。
「何か書いてみたらどうかな」
「子供達の心を奇麗に出来る様な」
「その荒んだ心を癒してね」
「そうした文章を書けばいいんだね」
「そう、聖書がまだわかりにくいなら」
 それならというのだ。
「そうしてみたらどうかな」
「そうだね、それじゃあね」
「うん、書いてみるかい?」
「考えさせてくれるかな」
 真剣な顔のままでだ、アミーチスは答えた。
「是非ね」
「そしてだね」
「僕の出来ることでね」
 それも最大限のだ、アミーチスにしてみればこれ以上子供達を荒んだままにしておきたくなかった。それ故の言葉だ。
「やるよ」
「それじゃあね」
 こうしてだった、アミーチスは子供達の為に書くことにした。だが。
 具体的にどういったものを書くのか、このことも問題だった。
「子供達にわかりやすい」
「そうしたものをだね」
「書くことになっても」
「一体何を書くのか」
「それが問題だね」
「今度は」
「童話、いや」
 すぐにだ、アミーチスは童話は駄目だと思った。
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