第三話
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んでいたら自分もあれらの中に混じっていたことだろう。
時折見える異種族が、自分が異世界にいることを改めて実感させた。
「腹減ったなぁ・・・・・・」
実質不死身とは言え腹は減る。
所持金は相変わらず0ヴァリスで何かを食べることも出来やしない。
タバコで空腹を紛らわすのもいい加減限界、というかむしろ悲しくなってきた。
「やっぱ『ファミリア』かねぇ。身体能力上がるっつうし」
件のメモには『ファミリアに所属して恩恵を受けないとモンスターハントは厳しいよ!』と書かれていたのを思い出す。
身体を強化せねば一番の雑魚にも苦労するということなのだろう。
ただ、こんなオヤジを受け入れるところも存在しない。
なんせ入団のにの字を言っただけで追い返されるのだから。
かといって虎の子の体質のことを話す訳にも行かない。
何があるか判らないからだ。
前にも、死なないことを娼婦に話しただけでその国の政府に捕獲されかけた程なのだから。
完全に詰みである。
もう起きていてもどうしようもないと判断し、マサはベンチに寝転がった。
ポケットからスーツを取り出しておいて正解だった。かなり寒い。
こういうときは寝るに限る。睡眠中は空腹を感じないのだから。
「あのー・・・・・・」
目をつぶりしばらくすると、話しかけてくる声。こっちは空腹との戦いで忙しいというのに。
「もーしもーし・・・・・・ファミリア探してたりしませんかー・・・・・・?」
「・・・・・・ファミリア!?」
『ファミリア』、つい数時間前まで死ぬほど憧れていた言葉。
その言葉が耳に入り急いで身を起こす。
「えっと、あの、そ、その・・・・・・『ファミリア』の勧誘をしてまして・・・・・・」
そこに居たのは一人の少女。
浅黒い肌のほっそりとした肢体と整った顔。それと対照的な肩まである銀糸のような髪と赤い瞳。
この世の物とは思えないオーラを放っていた。
一目で分かる。これは人ではない。
「あー・・・・・・驚かせてすまん。
なんせかれこれ十件近くファミリアを当たったが全部門前払いだったんだ」
「で、嬢ちゃんは誰だい?」
「あ、えっと」
「イシュタムって言います」
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