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はて迷外伝 最強の剣と最強の盾5th
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捕まえてしまえば脆いものよ。

『ほ、ホレ!!ファミリアを紹介してくれるっていうネーチャンが書類持って来たぞ!!オイラは手伝ってやんないんだからちゃんとやれよな、ファミリア選び!!』
「アミィちゃ〜ん!早速求人を出してるファミリアの情報を集め……あら、また人形と遊んでるの?」
(チッ)

 上手いこと逃げられたことに内心舌打ちしつつ、不思議そうに首を傾げるギルド職員の女性に向かい合う。そう、今はこのぬいぐるみにかまけている場合ではない。今、アミィは一族に産まれて秘儀を受け継ぐうえでの最後の試練を迎えようとしてるのだ。

(神の下で修業を積み、レベル3となって故郷へ帰る……それが『ラプラスの一族』として1人前になるための最後の試練なんだ……!)

 一族の宿命(さだめ)、一族の悲願。例え異端と罵られようが、必ず成し遂げなければならない。
 『彼』を握る手に少しだけ力が籠った。
 「うぎゅっ」と小さな声が聞こえるのも耳に入らなかった。



 = =



 リベルは、自分の同僚の一人――アーサーを見た。

 飛び抜けた美貌を持っている訳ではないが、純朴で可愛らしい外見に明るい栗色の髪がよく映えた少女だ。出で立ちはどこか凛々しくて堂々としており、真剣な表情をした時は別人のような風格がある。内面的にはコミカルな面をよく見せるが、常に自信に満ち溢れた声は不思議と人の耳によく響く。

 その少女が今、体躯に似合わぬ長剣を掲げて魔物の隙間を潜り抜けてゆく。

「ぜやぁッ!!」

 女性的な柔らかさと無駄のない筋肉が奇跡的に織り込まれた細腕が長剣を素早く振るい、すれ違った魔物の胸部が極めて正確に切り裂かれる。魔石の位置を正確に見切った上で、魔石を砕かず一撃必殺を可能にする精緻極まる技巧を惜しげもなく発揮して、アーサーはあっというまに10体近い魔物を屠ってみせた。
 瞬間、正面から3Mを越える巨体が唸り声をあげて彼女に迫る。

『ブギャアアアアアアアアアッ!!』

 オークだ。冒険者が最初に出会う大型魔物であり、その巨体で棍棒などを振り回すために対応を誤って殺される冒険者も少なからず存在する。だが、彼女はそのオークを目の前に微塵も躊躇を見せずに飛び込む。

 目の前に迫るちっぽけな獲物を、オークは本能の赴くままに襲う。
 オークの腕が空を切り、握られた無骨な棍棒が真正面から彼女の元に叩きつけられる。ドガァァッ!!と派手な音とともに風圧が周辺を吹きすさぶが、既にそこにアーサーはいない。

「そんな粗雑な攻撃が私に届くものか」
『ブギッ!?』

 棍棒が叩きつけられる直前、彼女はつま先で弾くように地面を蹴って急加速し、棍棒を掻い潜ったのだ。さらに彼女はすれ違いざまにオークの左足を間接から綺麗に切り
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