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はて迷外伝 最強の剣と最強の盾5th
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 後悔は後になってからやってくる。
 その時は勢いでやってしまった行為でも後になれば赤面必至、津波のように押し寄せる悔恨の濁流は穴を掘って埋まっても逃れることが出来ないほどに強力無比で致命的だった。

『オマエさぁ……オイラから見てもさっきのはないと思うぜ?だってさっきのあれ、ほぼ自分で触ってんじゃん?』
「………うう」
『黒いのに同情しちゃうなー。あんな公衆の面前で「ブレイモノー!」って言いながらビンタだもんなー。傷ついただろうなー。善意だったのになー?』
「…………うううっ」
『なぁ、前の街でも似たようなことあったよな?握手に応じたあとに手が触れあってるのに気付いて「へ、変態やろぉーーーーっ!!」ってさ。盛大に空気悪くしたよな。反省したんじゃなかったっけ?え?怒ったヤローからダッシュで逃げてもう二度とやんないって誓ったのは嘘な訳?』
「……………うううううっ!!」

 『彼』の言っていることはいちいち正しいのだ。正しいのだが、正論だからこそアミィは猛烈に恥ずかしい。そして逃げ場がないのを知っているからこそこのぬいぐるみ畜生はニタニタ笑いながら容赦なく糾弾してくる。そーいう性根の腐ったところがどうしようもなく大嫌いなのだが、それでも『彼』と自分は永遠に離れられない運命の下にある。

「キミみたいなウスラバカとずっと一緒にいないといけないと思うと、アミィはつくづく『ラプラスの一族』に生まれたことが恨めしくなるのです……グスン」
『ぐずるなよロリガキ。オイラだって本当はもっとボンキュッボンのステキレイディが良かったんだぞ。でもお前はもうダメだな。ストレスのせいで成長できてない。栄養とって養生してんのか?でないと将来はまな板のバイトしかやることなくなるぜ?』
「だぁぁぁぁれの所為でストレス溜まる上に養生できてないと思ってんですかねぇこの子憎たらしいぬいぐるみは……!キミの中から綿抜いてミイラにしたげてもいいんだよ……!?」
『わー、ジンケンシンガイだジンケンシンガイ!オイラを奴隷にしてあんなことやこんなことに利用する気だろう!このスケベロリガキめ!ロリな上にスケベなんてもうどうしようもないエルフだな!!』
「………燃やしたろか、この有機物は」

 懐のマッチ箱に手をかける。もう我慢ならない。自分の生命線だからと今まで下手に出ていたのが間違いだったのだ。どうせ簡単には死なないのだし耳くらいは燃やしてくれよう。

『ヒィっ、そ、そいつは悪魔の薪!?や、やめろバカ!そんなことして後悔するのはオマエだぞっ!?』
「ウフフ、いい顔してますね……その恐怖に引き攣った表情を拝めるだけでもアミィは胸がすく思いです♪」
『ギャーーーース!!』

 じたばたもがいて逃げようとしているが、所詮こいつの身体は三頭身程度のぬいぐるみ。
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