モルフォバタフライ
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寧に葬式まで行ってね」
「そ、そう……しき………!?」
「だから私達も正直に言って、高町は死んだと思ってた。その辺りの情報はこっちも騙されるぐらい上手く操作されてたから、きっと例の男が助言したんだろう」
「え……それって、あんな事をしておいて逮捕も左遷もされてないって事?」
「いやぁ、左遷は流石にされてるんじゃない? ただ、左遷された後も重役である事に変わりないだけで……。大体、こういう情報戦に強い輩ってラジエルのやり方を見ればわかるけど、複数の手札をあらかじめ備えているものなんだ。だからその男は上層部の世間に知られたくない情報が、自分の日記帳に書いてあるみたいな感じで掌握してるんだと思う。その男を切ったら自分の首まで道連れで飛ぶ……だから切ろうにも切れず、裁こうにも裁けない。哀しいけど、それが管理局のやり方なんだよね」
「そんな……」
「あの、ちょっといい? ずっと気になっていたんだけど……その男の名前とかはわからないの?」
「良い質問だね、ジャンゴさん。気になってる所残念だけど……私達が掴んだその男の個人情報は、性別が男であり情報戦が強く、“顔が無い”という所までなんだ」
「顔が無い? のっぺらぼうとかデュラハンとか?」
「そういうのとは違うと思う。アンデッドやイモータルの中に似た奴がいないとは断言できないけど」
でも本当にいるなら、どこかで百鬼夜行が行われているのかな? そんな素朴な疑問を抱くジャンゴであった。
「お、お化けは……苦手なの」
「いやいや高町、相手はお化けじゃないって、ちゃんと実在してるって。まぁでも……こうしてあんたの生存を確認した事で色々状況がわかってきた。多分、あの病院の人達は高町が“裏”に始末される前に秘密裏に搬送、今日まで治療しながらずっと隠してきたんだ。だけどそれがバレた事で、世間に高町が生きている事実が漏れないように“裏”は暗殺部隊を投入し……後はそっちが見てきた通りだよ」
「暗殺……!? 一度は守ろうとしてくれたのに……なんで手の平を返したの?」
「過去に公言した事を嘘にしないようにするのと、“英雄の利用価値は死んだ後にある”って事だろうね。歴史上でも執政者にとって英雄的存在は扱いに困るから、戦いが終わったら暗殺なり追放なりしてるもの。強すぎる力は自分に忠実で従順でない限り反逆とか謀反を企まれそうで、基本的に好まれないものだし」
「……謀反って……そんなつもりは……」
「ニッポンでは織田信長と明智光秀、キャメロットではアーサーとランスロット、忠誠を誓っておいて裏切った例は他にもある。何事にも絶対なんてのは無い。ただ……どうも高町の扱いを上層部の連中は決めかねている気がする。本気で消すつもりなら、あの病院に髑髏をけしかけてきたはず
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