モルフォバタフライ
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で支持率が低下している現状を打破したい管理局上層部にとって、都合の良い英雄的象徴だった。だからこそ、それが撃墜するなんてあってはならない。そのためハラオウン提督らの身内に対する特別扱いを上手く誘導して表面的な理由とし、高町が所属する部隊の戦力を他より充実させた。それにも関わらず撃墜、全滅したのは……連中にとって想定外の事態が起きたからだ」
「想定外の事態……?」
「“裏”も一枚岩じゃない、それぞれ派閥や政党みたいなものがある。でも上層部が気付かない内に“裏”の半数以上を掌握、私物化した男がいるんだ。そしてそいつは……あの髑髏を生み出し、手駒として操る指揮官でもあった。それがさっき言った“寄生虫”の正体だ」
「ッ!?」
「4ヶ月前、突如その男が独断で髑髏を用いてなのは達を襲撃した。だがそれは上層部の意思じゃなかった。だから救出が間に合わない可能性は高いが、それならせめてイモータルやどこかの犯罪者に利用されないように遺体だけは確保しようとして、ラジエルに恥を忍んでその情報を送り、彼らが応援に駆け付けた訳だ」
「結果的にアースラの皆がアンデッドにされないで済んだから、それはそれで複雑かも」
「で、ここから今会わない方が良い理由に繋がる重要な内容になるんだが…………管理局が自ら名声を持ち上げてきた事もあって、高町の撃墜はどうしても隠しようが無かった。それに全力で治療しても助かる見込みは限りなく低かった。そして撃墜から一週間後、管理局はいきなり『高町なのはは次元世界の平和のために命を捧げた』と発表した。要するに……自ら死亡を表明したんだ」
衝撃的な内容に、なのはが愕然とする。ジャンゴとおてんこが固唾を飲んで見守る中、なのはは慌てて抗議する。
「わ、私生きてるよ!? なのに死亡って、なんで!?」
「ここからは私じゃなくて王様の推測になる。管理局は恐らく自分達への非難の声を最も減らせる手段を選んだんだ。いくら才能があるとはいえ……管理外世界出身の子供に過剰な出撃任務を与え、挙句の果てに過労で撃墜させてしまう。簡単に言えば、何も知らない子供を都合よく使い潰して過労死させた。そんな事実を世間に知られたら、当然管理局の評価は地に落ちる」
「あれは自己責任のつもりだったんだけど……まあ、その理屈は分からなくもないよ……」
「しかしアースラクルーや友人達が生きている以上、その情報に蓋をする事は不可能。それならばいっそ『彼女は人々のために最後まで勇敢に戦った』と公表する事で、『高町なのはは管理局の不祥事とは一切関係なく、名誉の殉職をした』という市民達にとっても英雄的象徴に見えるように情報操作をしたんだ。そして友人達には『最善の手を尽くしたものの、残念ながら治療の甲斐なくご臨終』だと告げる……ご丁
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