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RSリベリオン・セイヴァ―
最終話「天女の雫」※修正
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が好きだから……
俺は口から血を流しながらも最後にこう告げた。
「……どんな形であれ、最後にお前とこうして会えて、よかった……!」
さらに俺は彼女の肩を強く抱きしめた。
すると、弥生に異変が起こった。彼女の体は眩く光りだすと、そのまま光の粒子となって薄れていく。
「や、弥生……!?」
手を伸ばしても、俺の片手は彼女の体を突き抜けてしまう。
「……」
弥生は、先ほどまでの殺意の目からいつものような優しい眼差へ変わり、その白い片手が俺の頬を優しく撫でた。
そして、彼女は光となって上空へと消えていった……
同時に、俺が先ほどまで負った傷も気が付けば痛みすら残らず消えていたのだ。
『狼よ……其方の思いは我が心にしかと届いた! 行け、そしてこの先も愛する者のために生き続けるのだ!』
「っ!!」
俺は強く頷くと、空に向かって叫ぶ。
「零……展開!」
俺は光に包まれた。

「……!?」
気が付くと、俺は旅館の一室に寝かされていた。
「……」
布団から起き上がると、隣で俺を見守る二人の気配に気付く。
「よう! 気が付いたのか?」
「うむ……無事で何よりだ」
そこには、蒼真と神無が俺を見ていた。
「二人とも……どうしてここに?」
「近くを通りかかった漁船が、お前さんを拾い上げてくれたらしい。そのあと、漁師のオッサン達は危険を承知の上でコッチの陸まで上がって、偶然通りかかった俺たちに助けを求めてきたというわけさ?」
「漁船の……?」
「……密漁船だってさ?」
「え……?」
密漁船、確か最初の作戦で海域に無断で侵入してきたあの国籍不明の!?
「話によれば、アジア諸国から来た漁船らしい。一夏に危ないところを救ってくれた礼としてお前を助けたんだと?」
「……」
俺は黙って彼らの話を聞き続けた。
「……漁をする海域が厳しく制限されていて、貧困な生活に苦しんでいたらしい。この際、悪いと思っていても日本の海域へ仕方なく侵入してしまったそうだ。少しでも質の良い魚を釣って家族を養わせるためにと。後から大変申し訳なかったと、私たちに何度も謝罪したそうだ」
近頃は、各国がISを持たない国々から海域を奪っているというらしい。あの漁師たちもそんな被害者の一人なのだろう。
「……その、漁師さんたちは?」
「なに、リベリオンズの日本支部が無事に保護したよ? お前さんを助けてくれた礼として大量の日本の魚と、謝礼金を渡して、無事に本国へ送りとどける予定さ?」
「そうですか……よかった」
俺は、ホッと胸をなでおろしたが。そんな俺とは違って神無はやや焦っていた。
「だが、落ち着くのはまだ早い。実は、弥生が……」
「弥生が……?」
俺は、二人から弥生のことを聞かされた。内容を聞いて俺は口から言葉が出なかった。
「弥生が!? その…
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