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サラファン
第二章

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「あんたをまた見ているみたいだよ」
「成長していてっていうのね」
「そうだよ、あんたもね」
 娘にもだ、婆さんは優しい笑顔で言う。
「あんなのだったんだよ」
「私が子供の頃はね」
 笑ってだ、娘は婆さんにこう返した。
「もっとお転婆だったわよ」
「あんたは元気だったからね」
「そう、体操をしてね」
「あんた身体柔らかいからね」
「選手にはなれなかったけれど」
 オリンピック等に出る様なだ。
「それでもね」
「あんたはよく身体動かしてたね」
「ええ、けれどね」
「エリザベータは遊ぶのは好きだけれど」
「スポーツはね」
 そちらはだった。
「あまりしないのよね」
「どっちかっていうと勉強が得意ね」
「そうだね」
「それでよね」
 娘は母に問うた。
「あの娘になのね」
「服を全部あげるけれど」
「サラファンも」
「そう、あげるよ」
「そうするのね」
「あんたにあげたけれど」
 今も安楽椅子に座ってだ、婆さんは普通の椅子に座っている娘に言った。
「あんたはね」
「どうもね」
 微妙な顔になってだ、エカテリーナは婆さんに言った。
「ああいった服はね」
「好みじゃないんだね」
「そう、だからね」
「一回着てだったね」
「お母さんに返したのよ」
「そうだったね」
 昔、その時を懐かしみながらの返事だった。
「あんたは」
「悪いけれどね」
「いいよ、服は好きなものを着るものだよ」
「だからなの」
「あんたが着たくないならね」
 それならというのだ。
「それでいいんだよ」
「そうなのね」
「それであの娘が好きだったら」
 そのサラファンをというのだ。
「あの娘にあげるよ」
「そうするのね」
「その時はね」
 まさにというのだ。
「あの娘がにあってたらね」
「余計にいいのね」
「そう思ってるよ」
 こう言うのだった、そして。
 二人でだ、今度はこんな話をした。
「今日の晩御飯な何だい?」
「ボルシチとね」
 エカテリーナは婆さんに答えた。
「ジャガイモのサラダにね」
「いいねえ」
「鶏肉を焼くわ」
「お祖父さんの好きなものだね」
「だからね」
 それでというのだ。
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