第1話 〜新シイ生活〜
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しだと思われていないだろうか。
まあ誰ともすれ違ってないのだけれど。
そんなことを考えていた時だった。
ズシャァ!という音がして反射的にブレーキを握った。
「陽香梨っ!」
見ると陽香梨(いきなり名前で呼ぶのは気が引けるが)が転んでいた。
「うわっ!」
更に陽香梨を助けようとしたミカも転んだ。
冬に滑り止めとして撒かれる砂利で滑ったのだろう。
怪我は少し擦りむいたくらいで済んだらしい。
まあとりあえず僕の心情としてはどうしていいかわからなかった。
全く気の弱い男子高校生である。
僕が子供の頃に思い描いてた高校生はこんなだったろうか。
もっと大人びてたような……。
やはり夢と現実は違うらしい。
「大丈夫?」
「うん。」
体勢を立て直し、再び自転車を漕ぎ出した。
学校に着くとまだ誰も来ていなかった。
30分前に着くように来たのだから無理もない。
それにしても朝のメンバーが全員クラスがバラバラなのが心苦しい。
だがまさか登校初日で怪我をするとは思っていなかった。
もしかしたらおっちょこちょいなのかも……。
まあそれは追々わかることだ。
今の問題はどこの部活に入るか。
正直僕は部活には入りたくない。
部活に入れば無駄に人間関係が構築されてしまう。
できればそれは避けたい。
ならば入らなければいいのだがそうもいかない。
なんせ将来の進路に関わるかもしれない。
部活動説明が7時限目にあるらしい。
そこで説明を聞いてからにしよう。
7時限目。部活動説明会。
予想通りだった。
予想通りすぎて困った。
運動部のレベルがどこも高すぎる。
とてもじゃないが今から始めて追いつけない。
中2までは陸上部だったが、怪我の問題で無理だろう。
ならどうする。文化系か。
だが文化系は美術部と吹奏楽部くらいしかない。
吹奏楽部は全道常連の強豪。練習も厳しいと聞いている。
だが美術センスは皆無。
真面目に描いた絵を真面目に描けと指導されるほどの技術を持っている。
とてもじゃないが無理だ。
そんなことを思ってる時だった。
あるワンフレーズが耳に入った。
「放送局の局員は現在いません。」
その言葉を聞き逃さなかった。
僕はその続きの言葉に耳を傾けた。
「希望の人は先生までー!」
「聞いたか今の!」
「ほえっ!?」
後ろから突然声がしたので間抜けな声を出してしまった。
「局員0だってよ!」
マミが目をキラキラと輝かせて訴えかけてくる。
次に飛んでくる言葉はだいたい予想できていた。
「俺らの根城にしようぜ!」
予想通り。
ようするに朝のメンバーだけを集めて放送局に入ろうという計画だ。
先輩の圧力もなし。気を遣う人もなし(僕には一人いないわけでもないが)。
だがこれはチャンスかもし
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