第七話
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た内容を毒島も高城も小室に言って、そして納得がいかない小室だが、そこで引き下がったのだ。
「あの二人。どうなるんですか田中先輩?」
「そういうのは、一番お前がわかってるんじゃないか、平野」
「そうですね。あの二人は、長く生き残れませんね」
「ああ……」
いくら治安も守るために、非常時に救助活動をする警察や自衛隊だが、日本全土でこんな騒動が起きているなかで、助けにくるとも思えなかった。救助するにも、警察や自衛隊でも人数に限りはあるし、効率的に動くために平時では批判が出る割り切った作戦を実行に移しているはずだ。
そうした自衛隊や警察の保護下に入って安全を確保するなら、自分から動いて警察や自衛隊が展開している避難所に行くしか道は残されていないと俺は思っている。あくまで俺が、そう思っているだけだけどな。
本人は、気にしてないと言ってもなかなか納得が出来ない部分もあるし、めんどくさいが、少しフォローしといてやるか。
「小室。俺達があいつらを見捨てたわけじゃない。あれはアイツらが選んだ選択だ。お前が気に病むことじゃねえ」
「はい……」
「お前はよくやってるよ。普通なら何の訓練も受けてない学生が、こんな非常事態でまとめる事も出来ないで仲間割れを起こすのが殆どなのに、お前はリーダーとしての素質あるよ」
「でも、実際に戦えば接近戦なら麗や毒島先輩だし、射撃なら平野。高城は頭は良いし、静香先生も医療関係で役に立っている。僕なんかがリーダーとして役にたってますかね?」
お前って本当に自己評価が低いのな。リーダーは腕っぷしだけで勤まるものじゃないよ。
「リーダーは腕っぷしだけで勤まるもんじゃない。人を率いるさいには、相手に信用される事も重要だ。幼いころより知っている宮本や高城以外にも、このグループは、お前を結構たよりにしているんだぜ。」
「そ、そうですか?」
「そうだよ。少しは自信を持てよ」
そう言って俺は小室の背中を強く叩いた。それで小室が少し痛そうなそぶりをしていたが、小室の表情が少し和らいでいた。
「なんか、少し楽になった気がしますよ。ありがとうございます。」
ようやく表情がもとに戻ったか小室。
さて、全員が軍用車に乗車した事だし、俺も乗って動くとしますかね。
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