第7話
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デスクの前に
背をピンと伸ばして立つ。
「ところで今度の作戦なのですが」
ゲオルグは低く抑えられた声でヨシオカに話しかけながら、
デスクの前に置かれた椅子に腰を下ろしてヨシオカと向き合う。
「なぜ我々が担当することになったのですか?」
「なぜ、とはどういう意味だ?」
「我々は公然化しづらい準軍事作戦を専門とする部隊です。
ですが、今回の作戦は他の部隊でも対応可能な作戦であると考えます。
にもかかわらず我々が本作戦に従事するということは、何か特別な理由でも?」
難しい顔で腕組みをするヨシオカに問われ、ゲオルグは自らの考えを述べた。
すると、ヨシオカは目を閉じて大きく息を吐いてから、再びゲオルグの顔を見た。
「理由は二つある。
1つは聖王教会のカリム・グラシア女史からのご指名。
もう1つは・・・」
ヨシオカはそこで一旦言葉を切った。
そしてゲオルグの方に1枚の紙をおしやった。
「これだ」
「拝見します」
ヨシオカが差し出した紙を手に取り、ゲオルグはそこに書かれた文字を見た。
直後、ゲオルグの表情がサッと変化する。
「なるほど・・・こういうことですか」
そう言ってゲオルグは不敵な笑みをヨシオカに向ける。
対してヨシオカもにやりと笑う。
2人はしばし顔を見合わせていたが、ゲオルグが立ち上がりドアの方に歩き出した。
その背に向かってヨシオカが声をかける。
「頼むぞ」
「了解です」
背を向けたまま頷いて、ゲオルグは部屋を出た。
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