暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第7話
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
デスクの前に
背をピンと伸ばして立つ。

「ところで今度の作戦なのですが」

ゲオルグは低く抑えられた声でヨシオカに話しかけながら、
デスクの前に置かれた椅子に腰を下ろしてヨシオカと向き合う。

「なぜ我々が担当することになったのですか?」

「なぜ、とはどういう意味だ?」

「我々は公然化しづらい準軍事作戦を専門とする部隊です。
 ですが、今回の作戦は他の部隊でも対応可能な作戦であると考えます。
 にもかかわらず我々が本作戦に従事するということは、何か特別な理由でも?」

難しい顔で腕組みをするヨシオカに問われ、ゲオルグは自らの考えを述べた。
すると、ヨシオカは目を閉じて大きく息を吐いてから、再びゲオルグの顔を見た。

「理由は二つある。
 1つは聖王教会のカリム・グラシア女史からのご指名。
 もう1つは・・・」

ヨシオカはそこで一旦言葉を切った。
そしてゲオルグの方に1枚の紙をおしやった。

「これだ」

「拝見します」

ヨシオカが差し出した紙を手に取り、ゲオルグはそこに書かれた文字を見た。
直後、ゲオルグの表情がサッと変化する。

「なるほど・・・こういうことですか」

そう言ってゲオルグは不敵な笑みをヨシオカに向ける。
対してヨシオカもにやりと笑う。
2人はしばし顔を見合わせていたが、ゲオルグが立ち上がりドアの方に歩き出した。
その背に向かってヨシオカが声をかける。

「頼むぞ」

「了解です」

背を向けたまま頷いて、ゲオルグは部屋を出た。



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ