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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第7話
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られない、というのが本音ですね」

「不安、ですか?」

「ええ。 私自身が役割を果たしきれるか、部隊のメンバーにうまくなじめるか、
 はやてたちともただの友人として振舞うわけにもいかなくなるでしょうし、
 心配ごとはいろいろとありますよ」

ゲオルグの言葉に、シャッハは頷く。
そして2人は玄関の自動扉を潜ってビルの外に出た。
ゲオルグは車寄せを見まわすが、シャッハの迎えの車は
まだ到着していないようだった。

「車はまだのようですね」

「ええ。 だいたいの時間しか伝えていませんでしたので」

並んで立つ2人の間に、しばし無言の時間が流れる。

「ゲオルグさん」

おもむろにシャッハが声をかけて沈黙を破ると、
ゲオルグはシャッハの方に顔を向けた。

「なんですか?」

「私はあなたのことをよく存じ上げていませんので偉そうなことは
 言えないのですが、少なくともはやてはあなたのことを信頼していますよ。
 以前からそのようなことを言っていましたから」

シャッハの言葉に、ゲオルグは僅かに目を見開いて彼女の顔を見た。
ゲオルグの表情を見たシャッハは口元をゆるめて小さく頷く。

「それに騎士カリムも言っていましたよ。
 ”あの方なら、安心してはやてのことをお任せできそうね”と」

「そうなんですか?」

今度ははっきりと表情と声色にその驚きを表しつつ、ゲオルグが尋ねる。
それに対して、シャッハは大きく頷いた。

「ええ。 今回、私が同行するのも騎士カリムからの言いつけですから。
 ”ゲオルグさんが参加されるのなら、大丈夫よ”と言っておられましたよ」

その言葉に続けてシャッハは、”ずいぶん信頼されてますね”とにこやかに言う。
ゲオルグは、”はあ・・・”と照れ臭そうに頬をかいて応じた。

ちょうどそのとき、シャッハの迎えの車が到着する。
ゲオルグと別れの挨拶を交わしたシャッハが後部座席に乗り込む。
ゲオルグが一歩下がって車を見送ろうと待っていると、後部座席の窓が開いた。

「ゲオルグさん。 よろしければ、今度お手合わせをお願いしますね」

そう言って笑いかけるシャッハに向かってゲオルグは一瞬驚いた表情を見せた後で、
大きく頷いた。
その姿を見ていたシャッハは笑みを深くして軽く会釈する。
そして窓が閉まり、すぐに車は走り出した。

車を見送ったゲオルグは身をひるがえして、建物の中へと戻る。
情報部のフロアへ上がると、自分の席がある大部屋へは戻らずに
ヨシオカの部屋の扉をノックした。

部屋に入ったゲオルグをうすら笑いを浮かべたヨシオカが迎える。

「シスターどのはお帰りか?」

「はい」

ヨシオカの言葉に頷いたゲオルグは、ヨシオカの
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