第五章
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「こうするのよ」
「下に結構着てるのに」
「目立たないでしょ」
「ええ、特に下がね」
「こうすれば今の季節だとね」
「大丈夫なのね」
「試しに貴女も着てみて」
今自分がした様にというのだ。
「いいわね」
「ええ、それじゃあね」
ソニアも頷いてだ、そうして。
姉が今した着方をしてみた、ただしガーターではなく普通のストッキングを穿いてだ。そのうえで後は同じだった。
そして全て着てからだ、こう姉に言った。
「確かにね」
「暖かいでしょ」
「下に結構着てるし」
「上でブラ入れて五枚でしょ」
「シャツ二枚、ブラウスにボティスで」
「それだけ着てるからよ」
「暖かいのね」
ソニアも納得した。
「冬はこれで寒かったら」
「上にコート羽織ればね」
それでというのだ。
「充分でしょ」
「確かにね」
「これでいいわね」
また言ったブルジットだった。
「こうした着方があるのよ」
「私今までとにかく生地の厚い服を何枚もだったけれど」
「重ね着は確かに基本よ」
防寒のだ、このことはブルジットもわかっている。
しかしだ、妹にこうも言うのだった。
「生地が薄くても暖かい服もあるから」
「そういう服を選んでなのね」
「着ればいいのよ」
今の様にというのだ。
「そうすればいいのよ」
「そういうことなのね」
「ブーナッドを着る時もね」
「わかったわ、じゃあね」
「今度のお祭りの時はいいわね」
「ええ、着るわ」
にこりと笑ってだ、ソニアは姉に答えた。
「このブーナッドをね」
「私も着るからね、今着ているのを」
「じゃあ二人でね」
「お祭りの時はね」
次のそれの時はというのだ。
「この服着て出るわよ」
「わかったわ」
笑顔で頷いたソニアだった、そして。
実際に祭りの時にだ、ソニアはブルジットと共に買ったブーナッドを着て出た。するとクラスメイト達にも言われた。
「いいじゃない」
「ブーナッド似合ってるわよ」
「奇麗で可愛くて」
「とてもいいわ」
「これまで厚着ばかりだったけれど」
だがそれでもともだ、クラスメイト達はそのブーナッド姿のソニアに言うのだった。
「冒険したのね」
「実はこの下結構着てるけれど」
それでもとだ、ブルジットはクラスメイト達に微笑んで話した。
「姉さんに着方教えてもらったの」
「ブルジットさんに」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
ここでだ、ソニアは小声になって友人達に言った。
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