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101番目の舶ィ語
第四話。パンパカパーン!
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まり、キリカは知らないのだ。
俺が理亜こと『終わらない(エンドレス・)千夜一夜(シェラザード)』と出会い、そして悩んでいるということを。

「そっち方面では問題ない。あれから特に進んでないよ」

部屋の中とはいえ、街中ということもあり俺は言葉を濁すが。

「ふーん、なるほどね。なるほど。つまり、あの後になんかあったんだね。んでもって、多分瑞江ちゃんが、それについて会話する為に街の外に出た、と」

キリカは俺が敢えて触れない理由を察してくれた。
流石の頭の回転力だ。キリカがこう気付くのだから、理亜にいるかもしれないブレインこと『魔女』もそう思っているはずだ。ということは、だ。
一之江の言う通り、この街の中で『終わらない(エンドレス・)千夜一夜(シェラザード)』の会話はやはり避けた方がいいのかもしれんな。

『じゃあ、そっちの話は後回しにして。先に言っておかないと危ないかなーと思ったことを連絡しておくね?』

「うん? 危ないこと?」

『モンジ君、さっき瑞江ちゃんの能力が使えるようになっていたけれど。もし、私の力を使いたいなー、と思った時は注意して欲しいな、と思って』

「注意か。やっぱ代償関係か?」

キリカの力。『魔女』の能力は凄まじく。かなり便利で、いろいろなことが出来る反面、その力を使うにあたって代償を支払わなければいけない。今こうしてキリカは普通に会話しているが、その当のキリカは一時的に目が見えなくなっている。便利だが、その力を使うには支払わなければいけない代償は大きいのだ。

『それもあるけど、そもそも『魔女』の力は女の子用だからね。男の子が使うようには出来ていないってのもあるの。割とメンタルに直接影響が出たりするから。こう、モンジ君の理性が利かなくなっちゃったり』

「マジでか」

理性が利かない俺。
ヒステリアモードの俺よりもヤバイなそれ。
ただでさえ、ヒステリアモードなんていう地雷を抱えてるのに、キリカの魔術を使った代償で理性が崩壊したら、拳銃自殺間違いなしになるぞ。間違いなく。

『うん。もし理性が利かなくなっちゃって、瑞江ちゃんとか襲ったら大変だもんね』

「一之江を? 俺が? 襲う?」

襲われるの間違いだろう。

『ふふっ。まあとにかく。誘惑に抵抗してくれないモンジ君はつまらないと思うので、そのままの君でいて欲しいわけですよ、親友のキリカちゃんとしては』

「小悪魔めっ」

『あははっ』

キリカの発言を要約すると。
『私がどんどん誘惑しても一線を越えないさじ加減でいてね?』という意味だろう。
さすがは『魔女』だ。
まあ、ヒステリアモードなんて地雷を抱える俺からしたら、キリカがそういう風に接してくれるのなら大いに助かるんだけどな。
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