第3章 リーザス陥落
第79話 生気抱擁
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た、と言う事と、何部隊にも訳で戦ったと言う事。……そして、殆ど疲労している者が多かった事もあり、たった1つの穴が、見えてなかった。
大きな大きな、穴……だったが、ホッホ峡の戦いを制したリーザス解放軍達の喜びの渦中に、かき消されてしまったのか。
「(……ユーリさん、は? もう、ジオの方を見に行ったのかな……?)」
「(ユーリ、見かけなかったけど……。また、誰かを助けたり? この戦いも大変だったし、負傷している人も、多いはずだし……、うん……僕も頑張らないと……!)」
「(ユーリさん? 沢山の人がいて……見つけにくいです。ランス様に進言を……む、無駄ですかね……)」
一部の心模様を抜擢。
そう、この場に姿をみせないのは、ユーリだった。そして、もう1人いる。
「むー、ユーリさんがなかなか、見つからないですかねー。それに、何だか志津香さんもいない気がしますかねー」
トマトは、クルックーの治療を受けながら、キョロキョロと周囲を探したが、すがたは見えない。
「広く展開してますから。この辺りを探すだけでは、難しいかと思います。先頭はもう移動を開始してるようですし」
治療を続けながらトマトにそう言うクルックー。
そして、ランもそこにはいた。
「ありがとうございます。クルックーさん。(……ユーリさんなら、きっと大丈夫。それに、志津香だって。……2人はおんなじ部隊だったし……、羨ましい、かな……、やっぱり……)」
やっぱり 複雑なランだった。ちょっぴり出番が少ないのも。
そこは、ホッホ峡の片隅にある小屋。
恐らくは見張り台として機能をしていたのであろう。一部は高く見晴台として補強され、作られていた。ホッホ峡の中でも入り組んだ先に建てられている事もあるから、容易に見つかる事はないだろう。
……ただ、それは 敵だけではなく、味方も見つけにくい、と言う難点もあった。
そして、その場所に2人がいた。
そう、志津香と……ユーリである。
「っ……、ゆぅ……」
志津香は、彼女を象徴している、と思える魔法使いの大きな三角帽子は脱いでその鮮やかな緑の髪が顕になっていた。
そして、その傍らでは ユーリがいた。
ただ、いるのではない。
――……倒れているのだ。
その顔は、まるで眠っているのか? と思える様な表情だった。
それは、遡る事1時間前。
魔人アイゼルとユーリの一騎打ち。
戦闘の最中、明らかにアイゼルの動きが、表情がおかしくなった。確かに、ユーリの攻撃は、アイゼルの洗脳術をも切り裂いた。それは、魔法抵抗が一般人よ
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