第3章 リーザス陥落
第79話 生気抱擁
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。ありそうな事じゃ。驚く程鮮やかに退いていったらしいから、の。遠目じゃったが、確認は出来た。エクスの伝令も訊いた。印象は我々も感じた」
「……自分も、間に合いませんでした。残念です」
「次に持ち越し、だな」
「じゃが、今はヘルマンを退けた事は事実じゃ。心の持ち方、これを敗戦ととるのであれば、そこからこそが、将の真価が出るもの。ここまで状況が嵌ったにしては、戦果は控えめじゃろう」
「……その分は、追撃戦で取り返します」
「ああ。任せてくれ」
まだまだ戦いは続くのだ。真に勝者と敗者が決まるとすれば、どちらかが全滅。若しくは国へと追い返す事のみ。まだ 戦いも中盤程度なのだから。これから始まるであろう激しい戦火に血を滾らせる清十郎とリックだった。
「うむうむ、オレ様の他の女たちは……?」
ランスは、てきとうに将軍達とやり取りをした後、他の部隊を探した。
その時だ。
「おっ。ランスじゃねぇか。ここにいたのか」
「…………」
ランスの傍に来たのはミリ、そして セルだ。
「おう。ミリ。………セルさん?」
この時、ランスはセルに違和感を覚えていた。
何か悲しみの様なものが、複雑なものが、その顔に現れていたからだ、戦争だから、シスターとして当然なのだろう、とランスは何処か思っていたが。
「あ、は、はい! なんでしょう?」
「元気がなさそうだったからな。……大丈夫か?
「あ、はい……。戦場は初めてで……、ちょっと疲れてしまって……」
セルの表情を見たランスは、何かを感じ取った。
そう、それは同行者への疑惑だ。
「おいコラ、ミリ。お前、セルさんに余計なことしなかっただろうな」
「べっつにー? ただ普通に仲良くなっただけだぜ? 普通にな」
「なんだと!? お前の普通ってどういう事だ!!」
「ははははっ 普通は普通だよ。かる〜〜い、スキンシップ、とかな」
「なんだと、コラ! オレ様もまだ手をつけてないのに………!!」
まるで、子供の様に言い合う2人。いや、一方はからかっている様にも見える。その表情が、セルには無理をしている様に見えて、どうしても 心苦しくなってしまうのだ。例え、ミリが信じている、としても……。現代医学、魔法学においても、彼女を蝕んでいる物を治す術は 確立されていないのだから。
「だ〜いじょーぶよ。なんせ、セルよ? 私とおんなじ、清楚なシスター。貞操はちゃ〜〜んと、守るって」
「だぁぁぁぁぁ!! お前のどこが清楚だ!! お前とミリだけは別格なのだ!! 要チェック人物なのだっ!」
そこに、いつの間にか現れたのはロゼ。
これだけランスが騒いでいるから、面白おかしく参戦したのだ。その身体も傷一つ無く、どうやら あの悪魔ダ・ゲイルに守らせたのは見
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