暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第79話 生気抱擁
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女が率いる部隊もしっかりと労わなければならないし、指揮を取らなければならないから。

「バカ言え。その最後が激しかったのだ。なんせ、結局もう3周程した後に、更に6発追加。この戦争の誰よりも消耗しているぞ? だが、それでも オレ様だからこそ 動けるのだがな! がはははは!!」
「あっそ……」

 かなみは、もうそれ以上ランスにツッコミを入れる事なく、周囲を見渡した。

 周囲には、ヘルマン兵達の残骸で溢れている。……勿論、その中にはリーザスの、解放軍達も同じだった。死体の山が、積み上がっている。太陽が顔を出した事で、より鮮明に分かる。

「(……必ず、取り戻すから。……皆、ありがとう……)」

 かなみは、薄らと目に浮かぶ涙を拭った。
 皆が、信念を持って立ち上がってくれた。死にたくなんかないのは、誰でも同じだ。だけど、それでも……顧みずに戦ってくれた。それに報いる為にも 必ず成功させると心に誓ったのだ。

「(……ユーリ、さん)」

 そして、浮かぶのはもう1人。

 きっと、この死体をみたら誰よりも心を痛め、そして 誰よりも それを悟らせない様にするであろう、皆の、……自分の英雄(ヒーロー)

 だけど、その彼にもまだ会えていない。……合流、出来ていないんだ。

「おい」
「っ……」

 その時、だった。
 かなみの肩に感触があったのは。

「あまり 思いつめない方が良い。……それに、アイツ(・・・)は絶対に大丈夫だ。この程度で殺られる様なヤツじゃないだろ」

 大きな鎌を肩に担ぎ直し、そう言うのはフェリスだった。
 死体の山が生まれている為、当初、ちゃっかりと目的として入れていた魂の回収をすませていたのだ。

 勿論――回収したのは、ヘルマン兵達のみの魂。

 いつか、輪廻の輪を潜り、再び転生するその時までを、奪う訳にはいかない。
 確かに、ヘルマン兵達も、自分達の為に 国の為に侵攻をしていたのは判る。だからこそただ、義理立てに過ぎないのだ。

「……あ、ありがとう、フェリス、さん」
「ん。あたしの事は、フェリスでいい。さん付けは ちょっと慣れない。そう呼ぶのは、シィルだけで良いよ」

 シィルは性分だからか、何度か言ってみたものの、治る気配が無かったのだ。だから、フェリスはシィルは構わない、と決定した。

「え……、う、うんっ フェリス」
「……ああ」

 軽く拳を作り、そして互いに こつんっ、と あてがった。

「我々の勝利ですな。ランス殿」

 丁度その頃には、バレス達の部隊も合流を果たし、ランスの傍へと来た。

「朝っぱらからむさ苦しい顔を見せるんじゃない。と言うか、勝利はオレ様がいる時点で決まっているのだ。この世界が誕生したその瞬間から
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