暁 〜小説投稿サイト〜
ぶそうぐらし!
第13話「きろ」
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
..。」

  なんとか由紀も走れるな。これなら...。

「胡桃、後ろは頼む、俺が道を作るから。」

「分かった。」

「...もし大量に現れた場合は俺が殿を務める。いいな?」

「っ....分かった。」

  大群と戦えるのは俺だけだからな。胡桃も分かっているのだろう。

「それじゃあ、直樹、一気に走り抜けるぞ。」

「わ、分かりました。」

「じゃあ、出発だ!」

  俺が先頭に、先生と由紀、直樹、悠里、胡桃の順で走る。

「悠里、なるべき戦闘は避けたい。サイリウムの数は?」

「...まだ余裕はあるわ。」

「なら、誘導は頼む。」

  できるだけ正面の進行方向上の奴だけ相手にする。
  悠里がサイリウムで誘導し、俺は正面の奴は吹き飛ばす。
  胡桃は後ろから追いかけてくる場合の露払いだ。







「...よし、あまり追いかけられなかったな。」

「そうね...。」

  なんとか正面出入り口まで辿り着いた。

「...圭.....。」

  ....直樹はどうやらさっき言っていたもう一人の事が気になるようだ。

「...しゃーない。」

  適当に見つけた裏が無地の紙を拾い、それに持ってきておいたペンで文字を書く。

「学校に避難している事を紙に書いてここに置いておけば、もし誰か来た際分かるだろ。」

「おお、それはいいな。」

  目に留まりやすく、雨が当たらないような場所に...っと。

「じゃ、帰るぞ。直樹、悪いが俺の方の車に乗ってくれ。」

「は、はい。...って、車?」

  俺が車の運転席に乗り込もうとして、直樹が間の抜けた声を出す。

「おう。無免許だがな。」

「....それ、大丈夫なんですか.....って、もうそれどころじゃないですもんね。」

「そういうこった。さぁ、乗った乗った。」

  直樹を助手席に乗せ、出発の準備を整える。

「先生、もう行けますかー?」

「ええ、行けるわよ。」

  窓から顔を出し、先生に聞くと大丈夫だと返事が来た。

「直樹、悪いがこの車は先頭を走るから危険が高い。...まぁ、死ぬつもりはないから安心しろとは言えんが大丈夫だ。」

「...それ言われると余計怖いんですけど。」

  それもそうだな。...とにかく、学校へ戻ろう。





「....あの、先輩たちは、どうやって今まで生き残って来たんですか?」

「どうやって....か。」

  帰り道の途中、ずっと黙ったままの空気には耐えられなかったのか、直樹はそんな事を聞いてきた。

「...実は俺、パンデミックが起きた時風邪で寝込んでたんだよ。」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ