第13話「きろ」
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..。」
なんとか由紀も走れるな。これなら...。
「胡桃、後ろは頼む、俺が道を作るから。」
「分かった。」
「...もし大量に現れた場合は俺が殿を務める。いいな?」
「っ....分かった。」
大群と戦えるのは俺だけだからな。胡桃も分かっているのだろう。
「それじゃあ、直樹、一気に走り抜けるぞ。」
「わ、分かりました。」
「じゃあ、出発だ!」
俺が先頭に、先生と由紀、直樹、悠里、胡桃の順で走る。
「悠里、なるべき戦闘は避けたい。サイリウムの数は?」
「...まだ余裕はあるわ。」
「なら、誘導は頼む。」
できるだけ正面の進行方向上の奴だけ相手にする。
悠里がサイリウムで誘導し、俺は正面の奴は吹き飛ばす。
胡桃は後ろから追いかけてくる場合の露払いだ。
「...よし、あまり追いかけられなかったな。」
「そうね...。」
なんとか正面出入り口まで辿り着いた。
「...圭.....。」
....直樹はどうやらさっき言っていたもう一人の事が気になるようだ。
「...しゃーない。」
適当に見つけた裏が無地の紙を拾い、それに持ってきておいたペンで文字を書く。
「学校に避難している事を紙に書いてここに置いておけば、もし誰か来た際分かるだろ。」
「おお、それはいいな。」
目に留まりやすく、雨が当たらないような場所に...っと。
「じゃ、帰るぞ。直樹、悪いが俺の方の車に乗ってくれ。」
「は、はい。...って、車?」
俺が車の運転席に乗り込もうとして、直樹が間の抜けた声を出す。
「おう。無免許だがな。」
「....それ、大丈夫なんですか.....って、もうそれどころじゃないですもんね。」
「そういうこった。さぁ、乗った乗った。」
直樹を助手席に乗せ、出発の準備を整える。
「先生、もう行けますかー?」
「ええ、行けるわよ。」
窓から顔を出し、先生に聞くと大丈夫だと返事が来た。
「直樹、悪いがこの車は先頭を走るから危険が高い。...まぁ、死ぬつもりはないから安心しろとは言えんが大丈夫だ。」
「...それ言われると余計怖いんですけど。」
それもそうだな。...とにかく、学校へ戻ろう。
「....あの、先輩たちは、どうやって今まで生き残って来たんですか?」
「どうやって....か。」
帰り道の途中、ずっと黙ったままの空気には耐えられなかったのか、直樹はそんな事を聞いてきた。
「...実は俺、パンデミックが起きた時風邪で寝込んでたんだよ。」
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